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麻薬、マフィア…負のイメージ変える! コロンビアの元プロ、大阪出身の寿司職人が描く夢
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コロンビアでの開業を目指し、すし職人に転身した林康太郎さん=東京都港区 サッカーワールドカップ(W杯)ブラジル大会(6、7月)で日本と1次リーグで対戦する南米のコロンビアのサッカーリーグ「プリメーラA」で、プロ選手としてプレーした経験を持つ日本人がいる。大阪府河内長野市出身の林康太郎さん(32)だ。「治安が悪い」といったイメージが強いコロンビアだが、陽気な国民性に魅せられた林さんは、コロンビアで和食店を開く夢を描き、現在は東京のすし店で腕を磨いている。
林さんは長野高(河内長野市)卒業後に中南米に渡り、サッカー選手として4カ国を渡り歩いた。ポジションは「ボランチ」。ウルグアイで練習生から出発し、2年目にはプロ選手となり、2005年、コロンビアのボジャカチコに入団した。
「マフィアや麻薬…。コロンビアにはいい印象はほとんどありませんでした」と林さんが語るように、サッカーファンは熱狂的で、1994年のW杯米国大会では、オウンゴールした代表選手が帰国後に射殺される事件も起きた。林さんがチームに所属していた間も、選手や監督がファンから脅迫を受ける事件が相次いだという。
ただ、コロンビアの日常生活は意外なほど快適だった。町を歩いているだけで「日本人かい」「どこから来たんだい」と見知らぬ人から次々と声をかけられるなど、コロンビア人たちは驚くほど友好的だった。レストランで居合わせた客から「コロンビア料理はおいしいぞ」と料理を振る舞われたこともあった。
中南米のほかの国では、アジア人への差別も珍しくなかっただけに、「思っていたのとは違う」と親近感がわいたという。
「彼らは外国から負のイメージでみられていることを気にしている。そうした中でも、観光客を増やしたいという思いもあって、外国人にはとても親切だった」というのだ。
わずか半年間のコロンビア生活だったが、音楽が鳴ると自然に「サルサ」を踊り出す陽気な国に、「いつか戻ってきたい」と思うようになった。
大阪で知り合ったコロンビア人のイネスさん(34)と結婚したのも、コロンビアへのプロ挑戦が縁。その後、「すし職人」に転身したのは、「コロンビアにおいしい日本料理店を開きたい」という夢ができたからだという。現在はチェーン店「すしざんまい」の東京・新橋の店舗で副店長として腕をふるっている。
W杯1次リーグの組み合わせが決まると、コロンビアの友人からメールや電話が相次いだ。攻撃サッカーを武器に世界ランク4位に位置づけ、4大会ぶりのW杯出場を決めたコロンビア代表に、国民がわき上がる様子が思い浮かぶという。
外務省によると、コロンビアの治安は首都圏では改善してきているが、地方は危険な場所も多い。だが、林さんは「陽気で親切な国民性など、いいところもたくさんある」と訴える。W杯では「日本代表を応援したい」と話し、「日本人のコロンビアへの印象が、変わるきっかけになれば」と、対戦の日を心待ちにしている。