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B級グルメの権利守れ 模倣被害や苦情増加、弁理士会ら監視機構設立
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「第8回B-1グランプリ」で1位になった「なみえ焼きそば」。B級グルメは人気の高まりから模倣品も増えているという=昨年11月、愛知県豊川市 B級グルメの権利を守れ-。日本弁理士会(古谷史旺会長)は24日、「B-1グランプリ」をはじめB級グルメブランドで地域振興を進める愛Bリーグ(渡邉英彦代表理事)の本部および加盟団体と協定を結び、「地域ブランド監理監視機構」を同日設立したと発表した。
B級グルメの人気が全国的に広がる中で模倣品による被害や苦情が増加している。「専門的な知見を持つ弁理士が関与することで、B級グルメブランドと消費者の保護対策を法的面から支援するのと同時に悪質業者を牽制(けんせい)する」(同機構の担当者)のが狙いだ。
弁理士会は、模倣品対策チームとして、11人の弁理士を同機構の担当に任命した。
2月から模倣品被害発見活動を開始する。上旬にもウェブサイトを立ち上げ、模倣品の通報を受け付ける。
案件ごとに模倣の有無を精査した上で、模倣品業者に対して注意や警告をする。一方で広告業者、電子商店街の運営者、縁日や食に関するイベントの主催者らに対して、模倣品業者を扱わないよう注意を促す。
特に悪質業者に対しては、行政機関などと連携して、ウェブ上で社名などの公表を検討している。訴訟になった場合は、被害を受けた加盟団体と弁理士が個別契約を結んで対処する。
まず、「八戸せんべい汁」(団体名は八戸せんべい汁研究所)、「十和田バラ焼き」(十和田バラ焼きゼミナール)、「横手やきそば」(横手やきそばサンライ’S)、「なみえ焼きそば」(浪江焼麺太国)の4つのブランドの対策を開始する。
愛Bリーグは現在、77団体が加盟しており、同機構への参加も4月以降、順次拡大させる。
福島県出身で、震災復興なども手掛けている佐藤辰彦弁理士(元弁理士会会長)は「特許出願など知財権獲得の支援が弁理士の業務だと一般に思われているが知財権保護の支援も重要な任務だ。今回の機構設立を通じて(知財権保護の)業務スキルを蓄積するとともに、時代のニーズに合った新たな弁理士像を啓発していきたい」と話している。