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【STAPキーマン 笹井氏会見詳報】(1)山中氏のライバル謝罪「共著者として心痛の極み」

ニュースカテゴリ:社会の科学技術

【STAPキーマン 笹井氏会見詳報】(1)山中氏のライバル謝罪「共著者として心痛の極み」

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会見で謝罪、頭を下げる笹井芳樹・理化学研究所発生・再生科学総合研究センター副センター長(中央)=16日午後、東京都千代田区(小野淳一撮影)  (15:00~15:10)

 《新型万能細胞「STAP(スタップ)細胞」の論文不正問題で、共著者で理化学研究所発生・再生科学総合研究センター副センター長の笹井芳樹氏(52)が16日、東京都内で記者会見する。上司として小保方晴子研究ユニットリーダー(30)を指導するなど研究に深くかかわった笹井氏が一連の問題発覚後、会見するのは初めて。小保方氏の行為を「捏造(ねつぞう)にあたる研究不正」と断じた理研側と、「STAP細胞はあります!」と反論した小保方氏の対立が深まる中、笹井氏は何を語るのだろうか》

 《笹井氏は36歳の若さで京大医学部教授に就任し、有力な科学誌に多くの論文を掲載してきた万能細胞研究の第一人者。世界で初めてES細胞から網膜組織を発生させることに成功するなど、「ノーベル賞候補」として世界から脚光を浴び続けてきた。昨年度には生命科学の分野で功績をあげた研究者を表彰する「上原賞」(副賞2000万円)を受賞している》

 《今回のSTAP論文では、小保方氏とともにデータをまとめ、研究の統括と論文執筆を担当した中心人物とされる。STAP細胞の研究成果を最初に発表した1月の会見にも小保方氏と並んで出席。「非常に説得力のあるデータがある。ちゃんと裏取りがされている。これは作ったような話でできるものではない」と説明していた》

 《最大の焦点は、STAP細胞の存在について、どう説明するかだ。理研によると、笹井氏は論文撤回には同意したものの、細胞の存在については「STAP現象を前提としないと説明が容易にできないデータがある」とする肯定的なコメントを出しており、その見解が注目される》

 《笹井氏は、人工多能性幹細胞(iPS細胞)でノーベル生理学・医学賞を受賞した京大iPS細胞研究所の山中伸弥教授とは同い年でライバルともいわれる。山中氏への対抗心からなのか、笹井氏は1月の会見で、STAP細胞がiPS細胞より作製効率が高いとする広報資料を作成した。理研はその後、内容が不適切だったとして撤回したが、この経緯についても説明が求められる》

 《博士号を取ったばかりで実績のない小保方氏を、数千万円の予算と研究室が与えられるユニットリーダーに抜擢(ばってき)し、1月の会見でも「私たちとしては『頑張れ、小保方』と思っている」と小保方氏への全面的なバックアップを隠そうとしなかった笹井氏。週刊誌などでは「不適切な関係」を疑う報道もなされたが、小保方氏の“重用”の経緯と責任も問われそうだ》

 《東京都内の会見場には約200人の報道陣が詰めかけた。会見に先立ち「科学研究面に関する説明資料」と題したペーパーが配布された。冒頭、「STAP現象の存在の有無に関する私の見解は、4月1日に発表した声明と同じです」と太字で記載。声明とは「STAP現象を前提としないと説明が容易にできないデータがある」との肯定的な見方を示したもので、同じ主張をするようだ》

 《定刻の午後3時、笹井氏が黒のスーツにネクタイ姿で会場に入ってきた。少し緊張した様子だ。カメラのフラッシュが激しくたかれる中、注目の会見が始まった》

 《冒頭、同席した理研コンプライアンス担当理事の米倉実氏が「笹井から、おわびと、本件ネイチャー論文における役割と、多くの質問に答えるために会見を設けさせていただいた」と趣旨を説明。米倉氏に促され、笹井氏がマイクを持って立ち上がった》

 笹井氏「このたびは、私が参加したSTAP研究の論文に関して、大変多くの混乱と、多くのご心配、また疑惑を招く事態となったことを心からおわび申し上げます。また、STAP研究に期待を寄せてくださるたくさんの皆さま方の信頼を損ねることになったことを心からおわび申し上げます」

 《笹井氏は用意してきた手元のペーパーを見ながら、ゆっくりとした口調で謝罪し、頭を下げた》

 笹井氏「また、ネイチャーのアーティクルに関してですが、2つの研究不正行為が調査委員会によって判断されたことは、論文に参加したシニアな共著者として、心痛の極みでございます。また、本論文にとどまらず、論文の中の不備、不正認定により、日本の科学全体に対する信頼が損ねることになりかねない状況になっていることについても、研究所内外の研究者、国際コミュニティーの皆さまに対して、心よりおわび申し上げます」

 《笹井氏は一呼吸置き、再び、深々と頭を下げた》

 笹井氏「これより、ネイチャー論文作成における私の役割、および、これまでにいただいたたくさんの質問に対して、説明をさせていただきたいと存じます。大変恐縮ですが、ここから着座にて説明させていただきたいと存じます」

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