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科学
【STAP細胞】「未熟さ」反省 悪意には言及せず 小保方氏会見
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多くのカメラの放列の前、会見の冒頭で頭を下げる小保方晴子(おぼかた・はるこ)氏=2014年4月9日、大阪市北区(彦野公太朗撮影) 新型万能細胞「STAP(スタップ)細胞」の論文不正問題で、理化学研究所の小保方晴子(おぼかた・はるこ)研究ユニットリーダー(30)が4月9日開いた記者会見。科学者としての未熟さや不勉強を謙虚に反省する一方で、「STAP細胞はある」と明言。自身の言葉で謝罪と反論を重ねた。
調査委は最終報告で、STAP細胞がさまざまな細胞に分化できる万能性を示す重要な画像が、小保方氏の博士論文に関連する別の実験画像から流用されていた点を捏造(ねつぞう)と断じた。小保方氏側は「勘違いによる取り違えだった」として「真正画像」を提出したが、調査委は根拠が不明とした。
これについて、小保方氏は会見で「写真(画像)を撮ったことについては(調査委に提出した)実験ノートに記述してある」と説明。ただ「自分でやった実験を書いたノートなので、自分には十分内容が分かるが、第三者の理解という点で反省している」と、真正なことを示す証拠としては不十分と認めた。
その上で「実験ノートよりも強い証拠がないか調べて、第三者が納得する形で用意したい」と話した。
調査委はSTAP細胞を作製した証拠となるDNA解析画像が切り張りされていた点について、「データの誤った解釈へ誘導する危険性を認識してなされた」と悪意の存在を認定、改竄(かいざん)と判断した。
これについて、小保方氏は「論文の基本的な執筆法や提示法に不勉強で、不注意も加わって不備が生じたことを申し訳なく思う」と率直に謝罪した。
ただ、調査委が悪意の解釈について、故意の不正とした点について聞かれると「私も分からず弁護士に相談した」と説明。さらに回答を求められると「悪意…」とつぶやいて言葉に詰まり、弁護士が「法的解釈なので」と遮る一幕も。
結局、不正をめぐる大きな論点の一つである悪意の解釈や有無については、ほとんど言及しなかった。
不服申立書で調査が不十分と主張した小保方氏。会見では「弁明と説明の機会が与えられれば、必ず間違いが起こった経緯を理解してもらえる」と強調した。
小保方氏によると、調査委の聞き取りは、委員からの質問に対する回答形式が主で、事実関係の詳細な聞き取りは少なく「十分な聞き取りをしていただいたという認識は私にはない」。人生初の経験で、徐々に体調が悪くなったことから「十分な回答ができなくなっていた」と述べた。
調査委は3月14日の中間報告で、聞き取りを3回行ったと説明したが、小保方氏は不服申立書で「1回だけ」と反論。会見では中間報告以降、委員全員による聞き取りが同月(3月)23日の1回だけと説明。同席した弁護士は「正式なものとしては1回」と述べ、不十分との認識を強調した。
「STAP細胞はあります」。会見では終始、憔悴(しょうすい)した表情だった小保方氏だが、STAP細胞の有無について聞かれると、強い調子でこう言い切った。
小保方氏は「これまで自分で200回以上(作製に)成功している」と説明。実験中に万能細胞の胚性幹細胞(ES細胞)が混入したのではないかとの指摘についても「研究室内にES細胞は一切なく、混入が起こりえない状況だった」ときっぱり否定した。
ただ、小保方氏自身による再現実験だけでは存否の証明は不可能。「第三者による実験にできるかぎり協力したい。もしこの先、研究者としての道があるなら期待に応える態度を示していきたい」と語った。
≪理研「調査不十分と思わず」≫
小保方晴子(おぼかた・はるこ)氏が所属する理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の広報担当者は4月9日、調査が不十分とした小保方氏の見解について「理研や調査委員会として報告書が不完全なら発表はしておらず、不十分とは思わない」と反論した。
一方、菅義偉(すが・よしひで)官房長官(65)は9日の記者会見で、一連の問題を受け、世界最高水準の研究を目指す「特定国立研究開発法人」(仮称)への理研の指定を当面見送る考えを表明した。(SANKEI EXPRESS)