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韓国客船沈没 無責任な船長、遺族怒り 検察「先に船離脱、重大犯罪」

ニュースカテゴリ:社会の事件・不祥事

韓国客船沈没 無責任な船長、遺族怒り 検察「先に船離脱、重大犯罪」

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 【珍島(韓国南西部)=加藤達也】旅客船「セウォル号」の沈没から5日目となる20日、珍島南部の港には船体から発見された遺体が次々に収容され、無事を祈り続けた家族らの悲しみを誘った。船で到着した遺体は、消防関係者が遮蔽壁を張った桟橋で船から降ろされ、臨時安置所に運ばれた。

 「娘の名前が呼ばれた。どうしたら…」。行方不明者の家族らが集まる珍島の体育館。ステージ上から乗客の高校生とみられる名前が読み上げられると、母親らしき女性が体を震わせ泣き崩れた。

 遺体収容の知らせばかりが相次いでもたらされ、体育館は重苦しい雰囲気に包まれた。

 前方ステージに設置された大型スクリーンには、新たに収容された遺体の特徴を伝える情報が次々に映し出され、家族らが不安そうに目をこらしていた。

 今回の事故をめぐっては高速で急旋回をしたことで船体のバランスを失う操船を指示したとされる3等航海士の女や、乗客の避難誘導をせずに船から脱出した船長ら、船の運航関係の乗務員がいずれも救助されたことが激しい怒りの対象となっている。

 15人の運航乗務員は全員救助されているのに対し、修学旅行で乗船していた京畿道安山市の檀園高校の生徒325人で救助されたのは約20%。乗客の避難誘導や救助で逃げ遅れた客室乗務員14人のうち救助されたのは15%に満たない。

 捜査当局は船長や3等航海士らを逮捕したが、刑罰の重さも国民の重要な関心事になっている。

 検察当局は、厳罰を求める国民の処罰感情が広がりつつあるとみており、検事総長が「船長などの(運航)乗務員が救護措置を取らず、先に船を離脱したのは黙認できない重大犯罪」と指摘し「迅速に、厳しい措置を取る」と表明した。

 捜査当局が船長ら3人を、最高刑が無期懲役の特定犯罪加重処罰法(船舶事故逃走罪)などの疑いで逮捕したのも、こうした厳しい世論が背景にある。

 ただ、同罪は船舶間の事故が前提。韓国の法曹界にも「今回のケースに適用できるかどうかは疑問」との声が出ている。

 業務上過失致死や船員法違反で起訴された場合は、最も重くても、懲役7年6月となる。

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