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船長脱出「法律以前の話」とあきれる声 「日本では考えられない」

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船長脱出「法律以前の話」とあきれる声 「日本では考えられない」

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18日、海面から完全に姿を消した旅客船「セウォル号」の沈没地点に設置されたブイとクレーン船(奥)=韓国南西部・珍島沖(共同)  珍島(韓国南西部)沖で転覆した韓国の旅客船「セウォル号」の船長ら乗組員が乗客の避難誘導をせず早々に脱出した疑惑が浮上し、批判が高まっている。法律に抵触する可能性があるが、日本の海事関係者からは「人命救助は法律以前の話」とあきれる声も。転覆事故を受け、国土交通省は国内の旅客船会社に非常時の脱出手順の確認を求めるなど注意喚起を促している。

 朝鮮日報によると、16日の事故発生時、セウォル号には船長以下、1等航海士や機関士ら約30人の乗組員が乗船。船内放送で避難誘導をして逃げ遅れた乗員を除き、全員救助された。特に船長は最初の遭難信号から約1時間後に救助されていたという。

 韓国の船員法では船舶への危険が切迫した場合、船長は人命の救助に必要な措置を取ることが義務づけられており、違反した場合は5年以下の懲役が科される。捜査本部は18日、乗客の救助を尽くさず船を脱出したとして、特定犯罪加重処罰法違反などの疑いで船長らの逮捕状を請求した。

 早々に船から脱出した船長らの対応について、海難事故に詳しい海難審判庁OBは「日本では考えられないことだ」と驚きを隠さない。日本の船員法にも船長には人命救助に必要な手段を尽くす義務が課され、違反した場合は5年以下の懲役に処すとの規定がある。

 船長養成に向けた練習船での実地訓練でも、人命救助活動は体で覚えるものとされ、このOBは「セウォル号の船会社は船長や船員をどう教育、管理していたのか」と疑問を呈した。

 転覆事故を受け、日本国内の船会社も乗客の安全確保態勢を再確認している。国交省海事局は17日付で日本国内の旅客船会社約450社に対し、航路の安全性▽救命設備の備え付け▽非常時の脱出手順-などの確認を求める通達を出した。

 通達を受け各旅客船会社は所有船のチェックを開始。東京湾クルージングを行っている東京湾フェリー(神奈川県横須賀市)の黒川清和・海務部長(62)は「韓国船の転覆原因はわからないが、非常時の脱出手順などを再度確認するよう現場に指示した」と話している。

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