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人生とは… 友人関係、人間関係に悩む学生 教えてお坊さん!(下)
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得度式(とくどしき)の後で記念撮影に臨む新米僧侶ら=2012年8月3日、京都市下京区
「諸行無常ですからいつまでもその悩みがあるわけではないんです。その間だけだと思えば良いんですよ。仏教には8つの悩みがあって、そのうちの一つに、自分とそりが合わない人や波長の合わない人と一緒に過ごさないといけない『怨憎会苦(おんぞうえく)』という苦しみがあります。そして愛している人と必ず別れないといけない苦しみもある。人間関係というのは、そもそもあまりうまく保てないんですよね」
「何ですかね。僕は自分をどんどん成長させていくことが一つの目標ではありますが…。自分の人格を作っていくということは、自分のキャパシティーや人格といったさまざまなことが大きくなっていくことで、どんどん人の輪が広がっていきます。人生は出会いですね。人との出会いに喜んで生きていく」
「今は暗いトンネルで先がわからなくても、いつか『ここに向かってたんだ』というのがわかるときが来ると思います。この人に出会うために歩いていたんだとか。最後は人間だと思いますね。それが人生だと思います。そこでまた人間関係に悩むんですけどね(笑)。僕もこれからまたいろいろ出会っていきたいと思います」
悩んだり、不安になったりする感情を持っているということは、自分の未来に対して期待をしていることの表れではないだろうか。どんな悩みも諸行無常で、いつまでもあるわけではない。だが、未来に対して期待している間は悩みが尽きることもない。悩み、不安に感じることは決して悪いことではないのではないだろうか。藤岡さんへの悩み相談で、そんな“悟り”を開いたような気がした。
仏教って何だろう? 無宗教者の“マグネットプレス”捜査員が、意外と知らない仏教について調べてみた。
仏教の目的は、「解脱」「涅槃(ねはん)」「悟りの知恵」の3つの獲得だという。解脱とは苦に満ちた輪廻の世界から脱出することであり、二度と輪廻(りんね)しない、つまり二度と苦を受けないということである。涅槃は解脱した絶対平安で安楽な心の境地のことで、悟りの智恵とは、解脱・涅槃に至るためのツールのことだそうだ。
なぜ「悟り」「解脱」「涅槃」を目指すのかというと、仏教がこの世界を「苦である」と認識しているからである。そのため仏教は苦からの脱出を目指す。苦には、どのような種類があるのだろうか。まず、どの生物も「生老病死」という4つの苦から逃れられないと仏教は説く。さらに、「怨憎会苦(おんぞうえく:恨み憎む人に合わなくてはならないという苦しみ)」「愛別離苦(あいべつりく:愛する人と別れなくてはならない苦しみ)」「求不得苦(ぐふとくく:望み通りに手に入れることができない苦しみ)」「五蘊盛苦(ごうんじょうく:五蘊と呼ばれる人間の構成要素が思い通りにならない苦しみ)」という4つの苦しみもあり、合わせて四苦八苦となる。
仏教には、行ってはならない「五戒」というものもある。「不殺生戒(ふせっしょうかい:生き物を殺してはならない)」「不妄語戒(ふもうごかい:嘘をついてはならない)」「不偸盗戒(ふちゅうとうかい:ものを盗んではならない)」「不邪淫戒(ふじゃいんかい:不倫をしてはならない)」「不飲酒戒(ふおんじゅかい:酒を飲んではならない)」である。
出家して僧侶になるには、「受戒」という儀式を受ける必要がある。たとえ頭を剃って、法衣をまとい、戒をすべて終えていても、受戒を受けないと、出家者とは認められない。受戒には、3人の師と7人の証人が必要である。