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シニア・初心者向けスマホ好調 操作簡単、友の輪広げる
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大きく見やすい画面で、シニアにも利用しやすくなったスマートフォン シニアや初心者向けのスマートフォン(高機能携帯電話、スマホ)が人気だ。子供や孫が使っているのを見て興味を持っていた熟年層が、写真を撮って拡大したり、地図を画面に広げて旅のお供としたり…。従来の携帯電話よりもボタンの数が少なくて分かりやすく、使いやすいとの声もある。そろそろ考えてみますか? スマホ生活。(川村達哉)
今年8月、NTTドコモ「らくらくスマートフォン F-12D」(富士通製)が発売され、売り上げ30万台を超えた。
また、モバイルマーケティングデータ研究所(MMD、東京都渋谷区)が同月8、9の両日、「シニア層のスマートフォンの利用および、購入意向に関する意識調査」を行った。60歳以上の884人から有効回答を得た結果、スマホ所有者は全体の11・1%。持っていない人の中では「とても購入したい」と「まあまあ購入したい」の合計が32・9%だったという。
スマホは、パソコンに準じる機能を持っている。インターネットのサイトを拡大して見ることができ、機種によるが、メール、カメラのほか、アプリと呼ばれるソフトウエアで天気予報、地図、スケジュール管理などさまざまなことができる。
一方、画面に触れたり、なぞったりすると機能が働くタッチパネルのため、初心者には、メールの打ち間違い、送り間違いや不意に触れただけでアプリが動き出すといった誤操作など、ハードルもある。
シニア層を中心としたスマホ人気について、ITジャーナリストの石川温(つつむ)さんは、「地図やラジオなどのアプリが人気です。散策や旅行などで写真を撮って保存したり、拡大して見たり。ボタンも大きめで数が少ないので見やすく、使いやすい。銀行のATMなどでタッチパネルにも慣れてきたのでは。スマホのネットワークによるコミュニケーションも盛んで、近い世代同士の気軽な“会話”にも魅力を感じる人が多く、自分の時間を楽しむツールにしています」と話す。
東京・山手線の主要駅から近い家電量販店では、各通信会社のブースに「見やすさ」「使いやすさ」などを追求した機種がある。「ほぼ毎日1台は売れるような安定した人気ぶりです。シニア層の方や、親子で来られる方、また、親御さんにプレゼントされる方も。幅広い世代の方々がお見えになっています」と売り場の担当者は言う。
「らくらくスマートフォン」は、シニア層を中心とする利用者の要望から生まれた。前身の携帯電話「らくらくホン」を使ってきた人々だ。10年間で2000万台を突破するヒット商品で、スマホ版はその流れをくんでいる。
「まず安心して使えること。防水、防塵(ぼうじん)に加え、防犯ブザーも。ネット被害対策として、あらかじめ入っているアプリ以外は入れられないようにしました」と富士通の古木健悦(けんえつ)さん。
主な特徴は、別表の通り。「ボタン感覚で押せるタッチパネルを独自に開発するなど、根本から新しいスマホです。見やすく、聞きやすく、使いやすく。電話本来の機能にもこだわりました。コミュニティーサイトも充実しています」
人とのつながりを楽しみ、時に悩みも共有する。スマホは、豊かな時間に寄り添うパートナーになるのかもしれない。