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学生悩ます“就職氷河期ムード” 増えすぎた大学、大手志向…厳しい実態
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大学生と高校生の就職内定率
内定塾への入塾動機の多くが、「就職難に不安を覚えて」です。依然として、就職氷河期「ムード」が漂っていますが、実態はどうなっているのでしょうか。一般的に言われている就活状況と日々学生と接している講師の立場から、考えてみたいと思います。
そもそも『就職氷河期』という言葉は、雑誌「就職ジャーナル」から生み出された造語で、1994年に日本新語・流行語大賞で審査員特選造語賞を受賞する程、学生の就職活動を象徴している言葉でした。
以来、20年間にわたって使用されている言葉ですが、特に「就職氷河期」として扱われる時代は2回に分けることができます。1回目は、1991年から2005年のバブル崩壊以降です。そして、2回目が2009年からの世界金融危機以降の数年間になります。
1回目と2回目の求人倍率を比べると、2回目の方が1回目より求人倍率が高くなっています。つまり、学生にとって有利な状況に見えます。しかしながら、内定塾講師をしていて数字以上の厳しさを感じます。
なぜなら…
このように、求人倍率から伝わる厳しさよりも、実態は厳しいと講師の立場から感じています。なにより肌感覚で違いを感じるのは、取り組んでいる学生の心理状態です。「不安」「自信のなさ」から、焦っていたり、あきらめていたりする学生が増えているように感じてなりません。
合同セミナーに行列ができるのも、そういった心理状態の現れといえそうです。「就職活動を全力で取り組む」という視点では、今も昔も同様です。しかしながら、焦燥感やあきらめが根底にあると、自分にあった企業探しをしている余裕が無くなり、「受かるための就活」になってしまうのが、内定塾講師として不安に思うところです。
「就職氷河期」の要因を特定するのは難しいですが、一般的に言われる「学力の低下」「ゆとり教育の影響」などは、世代全体にかかわることなので、就職氷河期との関連は弱いと考えます。要因はむしろ外部環境にあるでしょう。
一つ目の要因は、「大学生が増えている」こと。大学の新設ラッシュなどにより、事実上の大学全入時代になり、大学生の数が増えることで、内定倍率が上がってしまいました。
二つ目は、学生の大手志向です。リーマンショック後に、中小企業による内定取り消しが多かったことが、大手志向に拍車を掛けたものと思われます。
このように、時代背景が現在の就職活動生を苦しめています。明るい情報として、ここ2年間は、求人倍率が微増しています。追い込まれた学生たちが大手以外の企業に目を向け始めたことが原因と考えられています。しかし、まだ厳しい状況には変わりませんし、学生の心理状態は改善していない、というのが実感です。
「企業に媚びるような就活」から脱却し、自分に合った企業探しをするためには、心理的な余裕は不可欠です。厳しい外部環境下で、学生が自分を律するは大変難しいと言わざるを得ません。
家族や大学、就職活動支援塾など、周囲のサポートをより充実させることで、学生の心理的な負担を減らせるように努力する必要があります。(内定塾:齋藤弘透)
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