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何十社も落ち続け…ミスマッチ解消へ中小企業へ“橋渡し”
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大学生の就職活動が本格化している。企業の求人倍率は回復傾向だが、大企業志向の強い学生と、人材を求める中堅・中小企業のミスマッチは解消されておらず、就活環境は依然、厳しい。何十社も落ち続けた結果、就職をあきらめてフリーターになる学生もおり、国と企業は「就職をあきらめさせない仕組みづくり」に力を入れている。(三宅陽子)
「いつも、面接でつまずく。どうにかしたいけど、どうすればいいか…」
1月中旬、東京・新宿の東京新卒応援ハローワークを訪れた大学4年の女子学生(23)はため息をつく。アパレル業界を中心に30社近くの面接を受けたが内定はゼロ。昨年12月からは後輩たちの就活も始まり、焦りは募るばかりだ。
東京新卒応援ハローワークは、卒業間近や卒業後3年以内の求職者に、求人情報の提供のみならず、面接の指導、心のケアまで行う国の機関。手厚い支援の背景には、就活戦線を離脱した学生があきらめてしまうことへの危機感がある。文部科学省によると、昨春、大学を卒業した者のうち「非正規雇用」と「進学も就職もしなかった者」は計約12万8千人と全体の22・9%を占めた。
「面接に落ち続けると、人間性を否定されたように感じてしまう学生も少なくない。ほぼマンツーマンで適性などを探っていくことで、一人でも多くの就職につなげたい」と同ハローワークの川野辺哲夫室長(52)は話す。
厚生労働省によると、今春卒業予定の大学生の就職内定率(昨年12月1日現在)は75・0%と2年連続で上昇。しかし、いまだ約10万6千人が内定を得られていないと推計される。
内定につながらない要因の一つが、「狭き門」とされる大企業に若者の関心が集中する傾向だ。リクルートワークス研究所(千代田区)の調査によれば、今春卒業予定の大学生に対する大企業(従業員1千人以上)の求人倍率は0・73倍。だが、1千人未満の中堅・中小は1・79倍、300人未満は3・27倍と完全に“売り手市場”だ。
しかし、中小企業の多くは学生に知られていないうえ、「中小企業は良くない、と思い込んだ親が子供の就職を認めないケースもある」(厚労省)という。
こうした現状を打破しようと就活支援サービスを提供する「リクルートキャリア」(千代田区)は一昨年10月、新卒・既卒者と中堅・中小企業の“出会いの場”となる就職サイト「リクナビダイレクト」を開設。
また、新卒応援ハローワークも、大企業に比べ採用時期が遅い中小企業を学生に紹介するなどの支援を進める。中堅・中小・ベンチャー企業専門の求人サイトを運営する「エン・ジャパン」(新宿区)も規模や知名度だけでは測れない企業各社の「力」に着目した分析情報などを掲載。小川泰正編集長(35)は「名前は知られていなくても輝く企業はたくさんある」と話している。