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内定をとることが就活の目的じゃない! 悪戦苦闘の学生が考える「若年離職」(上)
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「就活の目標を内定を獲得することではない」と講演する人材コンサルタントの稲井田将行さん=2012年12月22日、埼玉県さいたま市のアウトスタンディング本社(4大学合同_有志学生記者撮影) 「氷河期」と呼ばれる厳しい状況が続く就職活動。来年春卒業予定の学生たちは今日も悪戦苦闘している。一方で、せっかく難関をくぐり抜けて就職したのに、すぐに辞めてしまう若者も多い。「若年離職」を避けるにはどうすればいいのか。4大学4人の学生記者たちがリポートする。
厚生労働省の「2012年版子ども・若者白書」によると、08年3月大学卒業者の就職後3年間の離職率は30.0%で、前年の31.1%からわずかに下がったものの、ほぼ3人に1人という高い水準にある。10年卒業者の1年間の離職率は13.4%と、11.5%から上昇した。
若年離職を避けるには、就活への取り組み方こそが最も大切だと考え、「平成生まれの就活革命」と銘打った講演会を開き、考えることにした。
講演会は昨年(2012(平成24)年)12月22日、さいたま市で若者の就業支援などを手がける「アウトスタンディング」の本社で開催。人材コンサルタントの稲井田将行さん(37)を講師に招き、約20人の就活生や大学1、2年生が参加した。
稲井田さんは、中小企業のコンサルティングで活躍する傍ら、大学生の就職支援も行っている。
「就活の目的とは、内定を取ることではなく、卒業後に社会でどう活躍するかを考えることです」
冒頭、稲井田さんはこう強調した。「内定を目的としていては、入った会社に疑問を持ち、3年で辞めるようになってしまう。入った会社で活躍するための活動であると正しく解釈し、考えることが大切」と語る。
就職活動を樹木に例えると分かりやすい。樹木は、根っこから養分を吸い上げて、日光を多く浴びられるように、幹をのばし、枝葉を大きく広げる。
根っこがしっかりしていなければ樹木は大きく育たない。就活も同じで、「内定」という枝葉の部分ばかり見ていては成功しない。「自分の考え方という根っこの部分をしっかりと育てていくべきだ」と言う。
今の学生は、就活に対しどんな考え方やイメージを持っているのだろうか。講演会の参加者にアンケートを取った。
「大変で苦労しそう」(大学1年の男性)、「なかなか決まらない。マイナスが大きいイメージ」(大学2年の女性)、「しんどい」(大学3年の就活中男性)
結果はネガティブな意見が多くを占めた。
「自分の考え方を固め、熱意を持って取り組めばつらいものではないと思う」(大学2年の男性)、「人間性を磨く活動」(大学1年の女性)
前向きにとらえる意見もあったが、少数派だった。
これに対し、稲井田さんは、マイナスに思える事象や状況も、発想を転換することでポジティブな見方に変えていくことが必要だと言う。その一例として、今の若者のマイナスイメージの象徴ともいえる「ゆとり世代」を挙げた。
「ゆとり世代というと、悪いイメージを持たれがちであるが、そうではない。授業時間が少なくなり自由な時間が増えた分、自発的に学ぶことができる。誰かに言われて行動するのと、自分から学ぶのでは全然違う結果が出る。自発的に行動し問題を解決できる能力を持った人は、企業が求めている人材そのもの。この世代に生まれて損だと思う必要は全くない」
正しく解釈し考えることは、簡単ではない。多くの学生が、間違った考え方の下、間違った行動をとることで結果が出ず、疲労感、挫折感を感じて疑心暗鬼にはまってしまっているのが現状ではないか。
そんな時はまず、自分にフィルターをかけるのをやめ、今の自分の現状をストレートに受け止め、自らをコントロールすることが大事だとし、稲井田さんはこうアドバイスする。
「例えば就職活動がうまくいかないとき、その原因を他人のせいにする『他責』なのか、自分に原因がある『自責』として捉えるのとでは大きく変わる。人のせい、社会のせい、環境のせいなど外部要因に責任を押し付けて挫折した者は、自分がコントロールできない分野に原因があると考え、立ち直れないケースが多い。自分のできる範囲のことを考えて行動し、自身をコントロールすれば、致命的な挫折には陥らない」
就活がうまくいかなくても、言い訳を探すのではなく、自分の悪いところを改善して次に生かしていけるかが大切なのだ。