デジタルよりもアナログ思考になれ 「ドラッカー」は過去の遺物
更新「ダークプール」は闇の世界への誘い
次に計数の曲解や悪用、IT情報の盲信による弊害です。リーマンショックの反省による規制対策も何ら浄化作用をもたらさず、英国ロンドン発のライボーは、アメリカ・カナダへも飛び火し、東京銀行間取引金利(TIBOR)やユーロEURIBORまで広がっています。
特に警戒すべきは、“私設カジノ”同然の「ダークプール」を介した新たな闇取引が欧米金融界に急増していることです。本来は大口投資家が「株価に影響されずに取引所外で株式を購入する場」だったものが、昨今は手数料の安さ・匿名性に惹かれて、超高速の電子取引や投機マネーの流入が進み、金融市場を再び闇の世界へ追い込んでいるように思えます。まるで蟻地獄です。
上場銘柄の取引所外取引を認められた常設機関(ダークプールズ・オブ・リクイディティ)は前世紀末に法整備され、今では米国に52、欧州に36もあり、それぞれ全株式取引の14%、10%を占めるに至っています。その背景には高速度、高頻度取引を可能にしたソフトによる電子取引があり、その比率は米国が55%、欧州が35%にも達しているのです。このサイバー空間がフラッシュクラッシュ(瞬間暴落)という市場錯乱の一大要因となっているようです。
