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無駄な支出、あぶり出し どうする消費税増税(上)
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駆け込み需要でにぎわった住宅ショールーム。3月末までの引き渡しが条件だが、完成済みの新築ならまだ間に合うケースも=昨年9月、大阪府豊中市(安元雄太撮影) 消費税が4月、5%から8%に増税される。マイホーム、自動車、家電、日用品などさまざまな価格に影響を及ぼすだけに増税前にできることはしておきたい。2回にわたり、増税対策を特集する。
3%の増税は100円なら3円上がる程度だが、1000万円なら30万円の負担増となり、高額商品ほど影響が大きい。高額商品を増税前に購入しようと考える人は多いだろうが、ファイナンシャルプランナーの福島佳奈美さんは「高額商品は『みんなが買うから』という動機で買うと後悔することがある。本当に必要かどうかの見極めが大切」と指摘する。
高額商品としてまず思い浮かぶのは住宅。マンションなどが駆け込み需要で人気となっているが、これから購入を検討しても増税前の恩恵にあずかれるかは微妙だ。3月末までに契約すればいいというわけではなく、引き渡しが3月末に間に合わないといけないからだ。リフォーム済みの中古マンションや新築でも完成物件なら大丈夫な可能性もある。ローン審査を含め、契約から入居まで1カ月~1カ月半かかることを考慮し、遅くても2月中には決めた方がいい。
住宅については、増税に合わせ取得者の負担を緩和するため、今年4月から平成29年12月まで、補助金制度「すまい給付金」の導入が予定されている。給付を受けるには年収や床面積などに条件があるが、給付金と住宅ローン減税を合わせると増税後に買った方がいい場合もある。住宅購入を考えている人はこれも踏まえたうえで検討してみる必要がある。
自動車も契約日ではなく、ナンバーの登録日が3月末までが条件。3月に契約しても納車が4月になると消費税は8%となる。納車時期は販売店によって異なるため、購入時はよく確認する。軽自動車は現在の年間7200円の自動車税(地方税)が27年度から新車購入に限り、1万800円と1・5倍に増税される。1年以内に購入予定だった人は納車が間に合うようなら、これを機会に検討してみるのもいい。
消費税が3%から5%に上がった前回(9年)は、照明器具や冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビなど電気製品を駆け込みで買う人が多かった。電気代の値上げが続いているため、照明をLED(発光ダイオード)にしたり、冷蔵庫やエアコンをエコ家電に買い替えたりするなら早い方がいい。ただ、家電は増税後に値下げ幅が大きくなる可能性もある。
「増税前に買わないと」と、慌てて買いに行くのではなく、近く買う予定のあるものをまずはリストアップ。そのうえで、年間を通じてあまり値下がりしないものは増税前に購入するのがいいだろう。
福島さんは「携帯電話のプランやフィットネスクラブの会費など固定費を見直すと効果も大きい。増税後は家計の支出が増えるので、これを機会に無駄な支出がないかチェックしてほしい。新年は新たな気持ちで家計簿をつけ始める人も多いが、一度家計を振り返って無駄な支出を省き、増税に備えましょう」とアドバイスする。
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増税後、家計負担はどの程度増えるのだろうか。第一生命経済研究所の試算では、夫婦のいずれかが働き、子供2人の世帯で年収500万~550万円では、年7万3691円増えるとしている。
日々の生活に不可欠な食品の価格は最も増税を実感するといえる。ただ、食品価格は前回の増税時(平成9年)より下がっているものが多い。例えば、9年に400円だった大手牛丼チェーン、吉野家の牛丼(並)は今は280円。同社によると、前回は増税後に価格を据え置いたが、今回は据え置くかどうかは検討中という。