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ダイエットの「王道」はカロリー制限 メタボ予防にも効果

ニュースカテゴリ:暮らしの健康

ダイエットの「王道」はカロリー制限 メタボ予防にも効果

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学会で発表する宮崎滋医師(山本雅人撮影)  この季節、正月太りを解消しようとダイエットを始める人も多いだろう。ここ数年、話題になっているものに糖質制限ダイエットがある。これに対し、ダイエットの王道は食べる量を減らすカロリー制限の方法だという説がある。後者は健康面も考慮した方法とされ、専門家はメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)予防にも寄与すると話している。(大家俊夫)

 健康面で安全

 カロリー制限を推奨している医師の中に、日本肥満学会副理事長を務める新山手病院(東京都東村山市)生活習慣病センター長の宮崎滋医師がいる。

 糖質制限ダイエットについて、「脂質とタンパク質だけを摂取してやせても、短期的な効果しか望めない。カロリーを適正量に制限し、そのうえで糖質を抑えるのがベストだ」と宮崎医師は強調する。

 米国で糖質を制限するアトキンスダイエットが流行し、その流れで日本でも糖質制限ダイエットが注目されるようになった。三大栄養素は、脂質、タンパク質、糖質(炭水化物)で構成されており、宮崎医師は「糖質制限によって、人間にとって必要な栄養素の一つを極端に減らすのは栄養バランスを欠くことになる」と警告する。一方、カロリー制限はそうしたリスクが少なく、健康面で安全性が高いといわれている。

 成人が1日に取るべき適正なカロリー量は2千キロカロリー前後(個人差あり)とされるが、普段取っている食物の総カロリー量、特に間食のカロリー量については無関心な人が多い。

 宮崎医師は次のような盲点を指摘する。「食事で適切なカロリー量を取っている人でも間食の量をカウントしていない人がいる。間食の分だけがカロリーオーバーになる。『ようかん一切れくらいいいだろう』と食べると、そのカロリーは約150キロカロリーもある。その分を運動で減らそうとすると約40分のウオーキングに相当する」

 食事回数減では…

 カロリー制限の中には1日の食事を3回から2回へ、あるいは1回だけにする方法も紹介されている。ただし、食事の回数を減らしてもやせない場合もあり、背景には「食べる回数は減っても量が減らない場合は1回の食事量が増えて大量のインスリンが分泌され、それが脂肪となって太りやすくなる」(宮崎医師)というメカニズムがある。

 メタボの診断基準は、内臓脂肪100平方センチに相当する値として腹囲基準(男性85センチ、女性90センチ)が基本にあり、腹囲が3センチ減っただけで血糖値などの数値が下がったとのデータが報告されている。「健康面のリスクが少ないカロリー制限は肥満だけでなく、メタボやその先にある糖尿病といった生活習慣病を予防することにつながる」という。

 カロリー制限は続けることに意義がある。宮崎医師は「完璧にやろうと思わないことが大切。好きな食べ物をやめるとストレスになる。自分でやめられる食べ物を決め、カロリーを徐々に減らす方法がいい」とアドバイスしている。

 ■糖質制限、臨床研究進む

 糖質制限ダイエットについては現在、臨床の現場でも研究が進められている。体重だけでなく、血中の中性脂肪などの脂質、血糖値といったメタボ診断基準の指標が改善したとのデータが学会で発表されている。ただ、どのくらいの割合で糖質を制限すればいいかとの数値は今後の研究に委ねられている。

 一方、総カロリーは減らさずに糖質を制限するとタンパク質や脂質の摂取比率が高まり、腎臓に障害を起こしたり、動脈硬化になったりするリスクが高まる、と専門家は指摘する。日本糖尿病学会は昨年3月、糖質制限食は現時点では勧められないとの見解を出しており、ダイエットをする人は医師に相談して実施するのがよさそうだ。

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