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春闘、政労使の思惑に微妙なズレ 「ベア2%」空中分解の様相

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春闘、政労使の思惑に微妙なズレ 「ベア2%」空中分解の様相

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 本格的な労使交渉が始まる前から、2015年春闘の雲行きが怪しくなっている。政府が音頭を取って従業員の賃上げを迫る「官製春闘」が再現されるムードが漂うものの、安倍晋三首相の要請が経営者の背中を強く後押しした前回の春闘とは異なり、大幅な賃上げを阻む「落とし穴」が数多く待ち構えているからだ。

 解散・総選挙に打って出て基盤の強化を目指す安倍政権は、賃上げとのセットかのように「成果に見合った賃金制度」への改革を企業に迫る。政労使がそれぞれ勝利宣言をした14年春闘から一転、3者の思惑が微妙にずれ、空中分解を起こしかねない様相も呈している。

 「2年連続は厳しい」

 「『1+1=2』という単純な数式では導き出していない。物価上昇率などを総合的に判断し、一丸となって取り組める数字として弾き出した」。連合が10月17日に打ち出した「ベースアップ(ベア)2%要求案」について、古賀伸明会長は実現可能な数値との認識を強調する。

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