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独りよがりで迷走するクールジャパン “外論理”重視のアプローチに期待

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独りよがりで迷走するクールジャパン “外論理”重視のアプローチに期待

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 海外向け日本文化紹介には、「無邪気だなあ」と言いたくなる事例が数多ある。独りよがりで自己満の匂いがするのだ。

 経済産業省にクールジャパン室が設置されたのが2010年6月。当時室長の渡辺哲也さんにインタビューして「クールジャパンが日本を救うか? 「京都」「アキバ」頼みを脱する」を書いた時、「文化産業をつくる」との事業コンセプトに賛同した。「サブカル輸出に政府が絡むの?」など賛否両論であったが、商品を単体で売る弱さを痛感していたぼくは、この事業を肯定的に見ていこうと思ったのだ。

 事業目的には2つあった。「日本の人たちが自分たちの力に自信をもつこと」という“内論理”と、「海外の人たちが受け入れ、生活のなかに取り入れたいと思わせる」“外論理”。ただ、この2つはまったく分けて考えねばいけないのに、残念なことにもつれてしまった。

 この5年間で「自分たちが良いと自信をもって思えるものは、海外の人たちも喜ばないわけがない」とのセリフを堂々と言ってもよい環境をも、クールジャパンはつくってしまったようだ。そのために「自分で自分を褒めてどうなの?」「内論理では海外の人は振り向かないよ」との批判を多く受けることになった。

 そうしたなかで、外論理を重視したアプローチをとる事例が出てきた。4月、岐阜県がミラノデザインウィークの期間中、市内ギャラリーで開催した「Casa Gifu」(岐阜の家)のことだ。

 総合的なデザインの指針をスイスの建築デザイン事務所、アトリエ・オイに任せた。この決断自身が、何よりも注目に値する。

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