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独りよがりで迷走するクールジャパン “外論理”重視のアプローチに期待

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独りよがりで迷走するクールジャパン “外論理”重視のアプローチに期待

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 ヨーロッパで売れる商品つくりは、ヨーロッパの人の判断を優先して商品開発することが望ましい、とのセオリーを自治体が採用したのである。

 決定するまでのプロセスにおいては、古田菜穂子さんが八面六臂の働きをした。彼女は4年間、県の観光交流推進局長として仕事された後、現在、観光国際局顧問として引き続きプロジェクトを推進している。公務員ではなく民間の方だ。

 

 こうしたプロジェクトでよくあるのは、日本の“国際派”デザイナーを起用することだ。どこの国のデザイナーであるかは二の次であり、個人のクリエイティブの才能が求められる、という論が前にでる。これは確かだ。

 が、同時に、売る地域の文化コンテクストを知らない飛びぬけた才能が実力を発揮できる確率は低い。これも事実である。

 もちろんアトリエ・オイがスイスの事務所である、という理由だけで委託したわけではない。デザインの質、日本の技術や素材に対する関心の高さ。あるいはコラボレーションするにあたっての相性。これらを岐阜県は評価したのだろう。

 結果、美濃和紙と飛騨の木材を使った商品をアトリエ・オイと共同開発し、その一部の商品をヨーロッパ市場で販売する仕組みまでつくった。また売れ筋となりそうな既存商品のセレクトにもアトリエ・オイは参加した。展示会場のデザインも彼らの企画だ。

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