終活の経済学

「おひとり様」時代の到来(1)進む世帯の単身化、高齢化

 「おひとり様」として人生の最期を迎える人が急増している。子供や肉親がいても「世話になりたくない」と考える人も多い。そんな人たちが直面するのが、死後に「自分の遺骨をどうするか」という問題だ。

 ◆「生涯未婚率」が激増

 おひとり様時代の到来を強烈に印象づけるデータがある。「国境なき医師団日本」が、遺贈に関する意識調査のために2016年に実施した調査での数字だ。対象は15歳から69歳の男女1000人。

 「自分が老後に身寄りのない状態(おひとり様)になってしまうと、どの程度感じるか」と質問したところ、「きっとなってしまうと思う」が24.8%、「どちらかといえばなってしまうと思う」が35.5%、合計で60.3%が老後の一人暮らしを意識していたのだ。

 10代や20代でも半数以上が、老後の一人暮らしを意識しており、その率は50代や60代よりも高かった。独身者においては、30代では78.6%、40代では83.3%もの人が、老後での独身生活を意識していた。

 現実に、既に少子高齢化や価値観の変化を背景に、おひとり様の激増は始まっている。

 50歳の時点で結婚経験のない「生涯未婚率」は、男性では3割、女性では2割に達しようとしている。1990年には男女ともわずか5%程度しかいなかったことを考えると、その激増ぶりが分かる。

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