終活の経済学

「おひとり様」時代の到来(1)進む世帯の単身化、高齢化

 世帯の単身化と高齢化も進んでいる。2019年の国民生活基礎調査によると、全国の世帯(約5700万世帯)のうち、半分(49%)が65歳以上のいる高齢世帯だ。さらに、そのうちの6割以上が「夫婦のみ」(32.3%)か、「ひとり」(28.8%)で暮らしている。20年の高齢独身暮らしは702万人(世帯)、40年には896万人にもなるとみられている。

 「子供がいない」「子供が遠方にいる」「子供と住みたくない」「伴侶に先立たれた」「離婚した」-。そんな理由が挙げられる。

 ◆総じて満足度は高く

 「おひとり様」の生活にはいいこともある。「自分のペースで行動できる」「親族など人付き合いの煩わしさがない」「お金を自分の判断で使える」-などだ。

 高齢(65歳以上)のおひとり様、約1500人を対象に、内閣府が2015年に実施した調査では、「自分の生活に満足しているか」との問いに対して、78.7%の人が「はい」と回答。性別にみると、男性は69.9%だったのに対し、女性は83.0%が「はい」と答えている。

 総じて満足度が高いおひとり様生活だが、避けては通れない問題がついてまわる。「終活」だ。

 内閣府が行った調査では、高齢のおひとり様のうち44.5%が「孤独死を身近に感じる」と回答している。また、「終末期医療」「葬儀」「お墓」について、それぞれ「準備や方法について、どの程度考えているか」を尋ねた質問では、「考えている」との回答は、終末期医療(53.4%)、葬儀(61.2%)、お墓(60.8%)となった。半数以上の人が、自分の最期について準備や意識をしていることになる。

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