クルマ三昧

「どこへでも行き、生きて帰る」…タフさを極めた新型ランドクルーザー300系

木下隆之
木下隆之

 日本が戦後の復興期を乗り越えた高度成長期、1951年に誕生したランドクルーザーは今年で70年目を迎える。この記念すべき今年、300系となる新型がデビューし、巷の話題をさらっているが、確かにその作り込みには感心するばかりだ。開発する中でのこだわりを知れば知るほど、ランドクルーザーが世界に支持されてきた理由を理解するのである。

 剛性と修理性を最優先に

 ランドクルーザーのメインマーケットは砂漠地帯が広がる中東地区。クルマにとって苦手な砂地が日常である。照りつける太陽。低品質の燃料。未熟な整備環境。そんな地域で支持されるには、僕らの常識では計り知れない開発コンセプトが求められる。

 もちろん強靭な耐久性や悪路走破性を備えていなければならないことは想像に難くない。だが本質はそれではなく、「壊れないこと」と「壊れても直せること」、これがランドクルーザーが支持されている理由だと思う。

 まず驚きは、サイズが肥大化していないことである。14年前に誕生した先代200系と、ボディディメンションは1ミリも変化していない。モデルチェンジのたびにボディサイズが拡大するのは古今東西、もはや常識となった手法だが、旧型とのディメンションの変更点がないのである。もっといえば、1989年にデビューした80系ともホイールベースは共通だという。もはや22年前にランドクルーザーの基本骨格は完成されたというべきだろう。

 そればかりではない。悪路走破性のためには強靭なボディが必要であり、そのために伝統的なはしご型ラダーフレームを採用。トラックと共通のそれは、走りの質感を整えるためには不利な無骨なフレームである。ライバルであるレンジローバー・ディスカバリーが、走りの洗練度を求めてモノコックフレームに改めたのとは対象的に、いまだにラダーフレームにこだわったのだ。

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