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【勿忘草】富士登山

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【勿忘草】富士登山

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 富士山の世界文化遺産への登録がほぼ確実となった。登山家の大蔵喜福(よしとみ)さんは「富士山の魅力は独立峰ならではの素晴らしい景観。日本人なら一度は登ってみたいと思うのではないでしょうか」と話す。

 植生は6合目あたりまでしか望めないが、最高峰3776メートルは日本一だ。登山者は年間約30万人。大蔵さんは「アフリカ最高峰のキリマンジャロや南米最高峰のアコンカグアでも年間1万人に満たない。富士山は世界一登山者を迎え入れている山です」と話す。

 登山に適するのは7~8月。独立峰のため風や雨など天候悪化の影響を受けやすい。真夏でも、山頂は真冬の気候だ。

 高山病にも注意が必要だ。大蔵さんは「標高2500メートル以上だと、誰でも何らかの症状が出る可能性はある。薬などで対処するのはもちろんですが、2500メートル前後でつらいようなら、登らない方がよいですね」。あきらめるタイミングを決めておくほか、周囲が症状をみて判断すると良いという。

 5年以上前、甲府支局にいたときには、遭難の取材をする機会があったが、富士山に冬場に軽装で登るという例もあった。登山道具をそろえるのはお金がかかる。しかし、大蔵さんは「能力や経験、判断力がない初心者こそ、しっかりとした装備を」と話す。

 だが、かくいう私も初めての登山はひどいものだった。友人の誘いで夏に山梨県内のある山に登ったが、私の格好は、チノパンに、ナイロンのジャケット。アウトドア用ではなく、動きやすい普段着だ。山の天気は変わりやすい。途中で大雨が降ったが、レインウエアを持っていなかった私は山頂に着いたときにはびしょぬれ。雨は止んでも服は乾かず、体は冷え切り、散々な状態に。その後、ちゃんとした登山道具をそろえたのは言うまでもない。

 ある登山道具店の店長は「富士山はご来光をみるために夜歩くからヘッドランプを持っていきます。でも、日帰りの山でもトラブルで明るいうちに帰れないことはありうる。その時のためにヘッドランプは必要」と話す。装備は誰のためでもなく、自分のためだ。

 結局、甲府支局時代には富士山に挑戦したことはなかったが、今年こそ、挑戦してみようかと思う。もちろん、ちゃんとした装備で。

 (油原聡子/SANKEI EXPRESS

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