SankeiBiz for mobile

【Campus新聞】「社会起業家」養成 米国で研修(下)

ニュースカテゴリ:EX CONTENTSの社会

【Campus新聞】「社会起業家」養成 米国で研修(下)

更新

【Campus新聞】VIA(Volunteers_in_Asia)の設立50周年パーティー。創設舎の情熱が引き継がれている=2013年4月6日、米カリフォルニア州サンフランシスコ(立教大学_有志学生記者、井上慶太郎撮影)  ≪社会問題解決へ「行動」と「情熱」≫

 日本でも後押し

 社会問題の解決に最も必要なものは何だろう。VIA(Volunteers in Asia)が提供するプログラムを3度経験し、今回のプログラムのコーディネーターを務める下向依梨さんは、「行動すること」と答えてくれた。

 下向さんは、ソーシャル・ビジネスを提唱して貧困層のためのグラミン銀行を創設したノーベル平和賞受賞者、ムハマド・ユヌス氏の著書「貧困の無い世界を作る」に出会い、社会起業家を志すようになったという。

 「人が尊厳を持って、自立できる方法を提供していく仕事が、自分の探していたものだと気がついた。そして、社会を変えることができる『チェンジメーカー』を育てることで、自分が『チェンジメーカー』になろうと思った。愛情を持って身の回りの問題に対してアクションを起こせる人を育てたい。その思いが、VIAプログラムのコーディネーターの仕事にもつながった」という。

 下向さんは、「Changemakers’ Learning Camp」という起業家育成のためのプログラムを、すでに日本で始め、行動を起こしている。

 日本でも、ソーシャル・ビジネスの優れたビジョンを持つ若者が増えている。一方で、ベンチャーキャピタルやエンゼル投資家といった従来型の資金供給者のほか、ネットを通じて資金を集める「クラウド・ファンディング」といった手法も普及。行動を起こそうとする社会起業家を後押しする環境が整いつつあるようだ。

 「デザイン思考」提唱

 さらに社会起業家にとって大切なのは、社会問題の深層にある潜在的なニーズを発見することだという。その方法として注目されているのが、スタンフォード大学が提唱している「デザイン思考」だ。

 デザイン思考は、イノベーションを起こすための手法で、試行錯誤を繰り返しながら実際の行動へつなげていく。

 「2001年に米国のデザインコンサルティングファームIDEOが具体的方法を書籍で公開し、2004年にはスタンフォード大学にハッソ・プラットナー・デザイン研究所(通称d.school)の設立とともに導入されました。不確実性が高まり、イノベーションの必要性が求められている日本においても、デザイン思考は注目を集めています」

 デザイン思考については、慶応大学SFCデザイン思考研究会(www.facebook.com/keio.design)が日本での普及に努めている。

 価値を追求せよ

 VIAでは、参加者にどのようなことを学んでほしいと考えているのだろうか。

 シニアディレクターの石田さんは「具体的なスキルや、デザイン思考、さらにリーダーシップを身につけてほしいけれど、最終的には、社会に貢献する自分のパッションを見つけてほしい」と話す。

 スタンフォード大学のコーディネーターであるパーリーさんは「価値の追求」について考えさせ、ロバートさんは「人間性が創造性を育む」と教えてくれた。(今週のリポーター:立教大学 有志学生記者 井上慶太郎/SANKEI EXPRESS

      □□□

 【編集後記】

 ■「希望の芽」を育む

 VIAのプログラムへの参加を通じ、目に見えない情熱や価値の大切さを学ぶことができたと感じている。半世紀も前、VIAを立ち上げたドワイト氏と学生がアジアの可能性に注目したとき、彼らには周囲から見えなかった希望が見えていたに違いない。その時の情熱がVIAプログラムの原点にある。将来への希望の芽を見つけ、育て、その道を開こうとする人たちは、東京にも大勢いて、彼らはもう動き始めている。

       ◇

 【関連記事】 【Campus新聞】「社会起業家」養成 米国で研修(上)

ランキング