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【勿忘草】食べて分かった

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【勿忘草】食べて分かった

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 現在、わが家の押し入れには大量のレトルトカレーや缶詰が段ボールにしまわれて保管されている。南海トラフ巨大地震対策で、家庭の備蓄食料の量が「3日分」から「1週間分」に見直されたことを受け、具体的な備え方について取材をした際、自分でも実践しようと買い集めたものだ。

 備蓄食料といっても特別なものは必要ないという。全国で料理教室などを展開している「ベターホーム協会」によると、普段、買い置きしていることが多いパスタやそうめん、トマトの缶詰といった長期保存が利く食品を少し多めに家庭に置いておくという発想でよいという。それを消費しては買い足す「ローリングストック」という手法で賞味期限が切れないようにする。買い出しに行く前に、わが家の台所を見てみると、レトルトカレーやコーンの缶詰など、ストックされているものが多くあった。

 買い集めた勢いにのって、備蓄食品で生活してみることにした。

 初日、地震発生直後の状況を考え、火も水も使わない缶コーヒーと固形の栄養補助食品を朝・昼食兼用として食べる。しかし、栄養補助食品は意外に甘い。缶コーヒーも微糖のものだ。普段甘いものを食べないだけにつらい。塩気のあるものも一緒にほしいところだ。夕食も、このセットというわけにいかず、カセットコンロでパックの白米を温め、そのまま食べられるカレーをかけた。缶詰も開けてみた。

 翌日も朝昼は缶コーヒーと栄養補助食品。夜はインスタントラーメン。インスタントラーメンはいざというとき、汁を捨てることができないので、飲みきらなければならない。3日目、同じメニューを食べたところでギブアップした。

 カセットコンロでの調理は思った以上に時間がかかる。こんな調子で使っていたら、ガスもあっという間に使い果たすだろう。なにより、地震発生直後は、簡単なものでも調理する余裕がない可能性もある。手をかけず食べられるものを買い足さないと…。実際食べてみることで、さまざまな課題が浮かび上がってきた。

 日常のありがたみを再確認しながら、わが家の防災計画を立て直すきっかけになった。(佐々木詩/SANKEI EXPRESS

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