SankeiBiz for mobile

“銭闘裁判”マイケル秘密暴く 興行主に責任なし

ニュースカテゴリ:EX CONTENTSの国際

“銭闘裁判”マイケル秘密暴く 興行主に責任なし

更新

 2009年6月に主治医による睡眠薬の投与で急死した米ポップ歌手マイケル・ジャクソンさん=当時(50)=の遺族が、長期公演を計画していた興行会社を相手取り、損害賠償を求めた訴訟で、ロサンゼルス郡上級裁判所(地裁)の陪審団は10月2日、遺族側の訴えを退ける評決を下した。遺族勝訴の場合、賠償額は10億ドル超(約970億円)に上る可能性があり、法廷では双方がマイケルさんの秘密を暴き合う激しい“銭闘”が繰り広げられた。米国のエンターテインメントビジネスに重大な影響が及ぶ可能性もあっただけに、業界関係者は、遺族敗訴にホッと胸をなで下ろしている。

 遺族は控訴示唆

 「われわれは世界で最も偉大な音楽的天才を失ったが、彼の悲劇的な死に一切責任がないことを認めていただき、深く感謝している」

 被告となった大手興行会社AEGライブのランディー・フィリップCEOは、評決後の声明でこう述べた。

 一方、マイケルさんの母親、キャサリンさん(83)ら遺族側の弁護士は「この裁判で、われわれは真実を見つけた。AEGライブが、主治医を雇っていたのだ」とする声明を発表し、控訴して責任追及を続ける考えを示唆した。

 生前、不眠に苦しんでいたマイケルさんの求めに応じ、主治医のコンラッド・マレー元医師(60)が麻酔薬を多量に投与しことが死因とされている。元医師は11年11月に過失致死の罪で禁錮4年の判決を受け、今月(10月)中にも出所するという。

 遺族側は、英国で予定されていたツアーの主催者であるAEGが、元医師を雇い、適切な健康管理を怠ったことが原因と主張。賠償額は示さなかったが、弁護人は「生きていれば10億ドル以上の利益が得られた」としていた。

 これに対し、AEG側は、元医師を選んだのはマイケルさん自身であるうえ、薬物依存を知っていたら、公演をキャンセルしていたなどと反論していた。

 この日の評決では、AEGが元医師を雇ったと認定したものの、「正規の免許を持つ元医師がマイケルさんに危険を及ぼすと予見するのは不可能だった」として、AEGの過失責任を否定した。

 プリンスさん「殺される」

 計約50人に上る証人が出廷した裁判は、暴露合戦となった。遺族側では、長男のプリンスさん(16)が「死の直前、(AEGの幹部と)電話をした後に、『彼らに殺される』と話していた」と証言。一方、AEG側は、マイケルさんの元妻デビー・ロウさん(54)を証人として呼び、「既に1990年代から睡眠薬を使っていた」と、暴露させた。

 裁判中の6月には長女のパリスさん(15)が、鎮痛剤20錠を服用して包丁で腕を切る自殺未遂も起きた。ロウさんは、法廷で「マイケルの死後、彼女は荒れ、ほとんど死んだようだった」とも明かした。

 今回の裁判では、「興行を成功させるためには、わがままなタレントの私生活を含め細かく管理する必要がある」という、現在のエンタメビジネスのあり方も問われた。

 遺族側は「AEGは住居を提供するなど、私生活の大部分をコントロールしていた」と訴えており、賠償リスクを考慮し、歌手やタレントとの関係を見直す契機となる可能性もありそうだ。(SANKEI EXPRESS

ランキング