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和の雰囲気、おいしい一服 「ゆっくりくつろいで」の思い よーじやカフェ銀閣寺店

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和の雰囲気、おいしい一服 「ゆっくりくつろいで」の思い よーじやカフェ銀閣寺店

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 【京都うまいものめぐり】

 京都みやげの定番といえば、明治創業の國枝商店が製造販売する「よーじや」のあぶらとり紙。そのよーじやが展開するカフェが銀閣寺の近くにある。京都のほか東京にも出店しているカフェだが、銀閣寺店は京ならではの和の雰囲気が味わえると評判だ。大正時代に宝石商が別荘として建てたレトロな日本家屋。中庭には紅葉や松などが植えられ、四季の移ろいを楽しみながらゆっくりと一服することができる。観光で疲れた脚を休めるのにぴったりだ。

 「あの顔」の抹茶カプチーノ

 カフェは哲学の道の中ほどにある。大きな門をくぐって、ガラガラと引き戸を開けると、畳敷きの玄関が出迎え、上がりかまちには大きな石。和のしつらえが満喫できる。

 通されたお部屋は2階。お弁当を予約した人が通される小部屋だそう。大きなガラス窓から見える庭は、すでに秋の気配がただよう。

 「カフェでの一番人気は、抹茶カプチーノです」というマーケティング事業部、サブマネージャーの岡田真由子さんの勧めでさっそく注文。

 運ばれてきたカプチーノは、あぶらとり紙の絵でおなじみの女性の顔が、ミルクの泡と抹茶パウダーで描かれている。

 実はこのキャラクター、鏡に映った女性の姿を現しているそうだ。飲んでしまうのがもったいないと、写メを撮る人も多いというのもうなずける。

 小さなスプーンやつまようじでマイキャラクターにアレンジしてブログにアップする人もいるのだとか。肝心の味はもちろん美味。お抹茶のほろ苦さを感じつつもクリームが包んでくれる優しい味わい。「抹茶はもちろん京の茶処、宇治産のものを使っています」と岡田さん。

 充実のこだわり甘味

 お弁当は近くの仕出屋さんから届けられるこだわりの一品。黒塗りのお重を開ける瞬間は、お弁当を開ける子供のようにワクワクする。

 お造りはマグロと鯛。炊き合わせは小芋や生麩(ふ)、茶巾湯葉に小ナス。焼き物はふくさ焼き。だし巻きにナス田楽など漆器に美しく盛られていて、彩りも豊か。もちろん熱々のお吸い物も。

 京らしい薄味仕立てで、素材を生かした味付け。なんともはんなりとした気分になる。四季折々の彩りを託したお弁当とともに、庭の景観が一望できるとあって、紅葉や桜の時期は、週末の予約がすぐいっぱいに。

 ご飯を頂いた後の甘味も充実。例えば、バニラアイスが添えられた抹茶クリームしるこは、熱々の抹茶がかけられて提供される。こだわりの小豆あんに彩り豊かな白玉団子、そして栗。熱い抹茶でアイスが溶ける温度差を口の中で感じながらほっこり。

 もちろん、この時期限定の柚子フロートは、柚子の果肉がたっぷり入った柚子ソーダの上にバニラアイスがたっぷりのった特製スカッシュ。のどごしがいいので、観光で歩き回った暑い日などにはお薦めの一品だ。

 よーじやの店名の由来は、舞台化粧の紅やおしろいのほか、ブタやタヌキ、イノシシ毛など50種類もの歯ブラシを扱っていたところからついたという。

 古来、お歯黒を塗る前に必要な歯の手入れをするようじは、歯ブラシが誕生するまで身だしなみに欠かせぬ道具だった。歯ブラシ専門店も営んでいたため、やってくるお客さんから「ようじ屋さん」と呼ばれて親しまれていたことに由来するそうだ。

 中国などアジア、欧米からも

 カフェを営んだのも、あぶらとり紙を買い求めて混雑する店内のお客さんに、ゆっくりとくつろいでもらいたい、という思いから、だそう。訪れる人は日本全国のみならず、中国などアジアをはじめ、欧米からも多いという。(文:木村郁子/撮影:恵守乾/SANKEI EXPRESS

 ■よーじやカフェ銀閣寺店ショップ&カフェ 京都市左京区鹿ケ谷法然院町15、(電)075・754・0017、営業時間午前10時~午後6時(L.O午後5時30分)、定休日は火曜日(祝日の場合は営業、また春と秋は無休)。お弁当は粧(3150円)と彩(4200円)の2種類、前日までに予約が必要(木曜日は取り扱っていない)。京都のカフェは三条店、嵯峨野嵐山店、祇園店。それぞれ店舗によって提供されるメニューが異なるのも特徴。

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