SankeiBiz for mobile

みずほ銀 近づく「反社」 販売店と結託も

ニュースカテゴリ:EX CONTENTSの社会

みずほ銀 近づく「反社」 販売店と結託も

更新

 みずほ銀行の問題は、反社会的勢力と金融機関のつながりを浮き上がらせた。1997年の旧第一勧銀利益供与事件以降、金融機関は暴力団とのつながりを、「一切断っているはずだ」と捜査関係者は言う。だが、どんなに「決別」を宣言しても、「反社」はあの手この手で攻めてくる。

 ある指定暴力団幹部は「今回の問題は自動車販売店と暴力団が結託してローンを申し込んだケースが多いと思う。販売店が加担しているため、大半が審査を通り発覚しないだろう」と内情を明かす。その上で、「自分が知っているだけでも、230件よりもっと多いはずだ」と指摘する。

 暴力団関係者が自動車ローンの融資を申し込んでいたことについて、この幹部は「高級外車を除き、数千万円するほどの高額な商品ではないし、それほど安くもない。いい頃合いだ。組織絡みではなく、末端の部分がやっている」と話す。

 車の購入希望者は自動車販売店に購入を申し込み、ローンを組む場合は信販会社が審査することになる。しかし、販売店が暴力団と結託し、ローンの申込者が車の購入者本人ではなく、暴力団とは無関係な第三者の名義にすることが多いという。

 いわゆる「名義借り」をした場合、購入者が暴力団かどうかはほとんど見分けがつかず、審査で排除することは不可能に近い。こうした販売に手を染める自動車販売店は、フロント企業と呼ばれる暴力団関係企業であることが大多数とされる。

 今後について、この幹部は「申込者だけでなく、販売店の適格性についても調査や審査が行われるようになれば、今回のような融資は不可能になるだろう」と話している。(SANKEI EXPRESS

 ■経済アナリスト、森永卓郎さん(56)の話 「今回の問題で、処分を受けた人数は多いが『みんなで責任を取ればいい。みんなで反省しましょう』と、数を増やして厳罰を避ける方法を取ったのではないか。痛みを分かち合うことで、本当の組織改革ができるのか疑問だ。みずほ銀行の母体のひとつ、旧第一勧業銀行は総会屋への利益供与事件という大問題を引き起こした。これを受け抜本的な改革を行い、反社会的勢力とは一切付き合っていないと思っていた。反社会的勢力は暴力ではなく、金に訴えるビジネスを手掛けて企業化しており、資金を絶つ対策が最も効果的だ。金融機関の社会的な責任は高まっている。今回の問題をきっかけに、みずほ銀行が反社会的勢力との関係を完全に断ち切ることを望む」

 ■暴力団問題に詳しいジャーナリスト、溝口敦さん(71)の話 「暴力団への対応が甘すぎる。反省も明確に示されておらず、銀行の社会的責任を自覚していない。暴力団と取引しないというルールが今後、どれだけ守られていくのか甚だ疑問だ。背景としては、社会的責任を果たすというよりも派閥的な足の引っ張り合いがあり、対外的に行動する意識がなくなっている。業界団体として、暴力団との取引を禁じているのに違反するのは由々しき事態。世論を逆なでし、自ら掲げた標識を踏みにじる行為だと認識して、責任の所在をはっきりさせるべきだ」

 ■みずほ暴力団融資問題 みずほ銀行が暴力団関係者への融資と知りながら2年以上放置していた問題。2012年12月から始まった金融庁検査で発覚。みずほ銀行は当初、金融庁に「情報は担当役員止まり」と説明。これを前提に金融庁は9月27日に業務改善命令を出した。その後、歴代3頭取にも報告が上がっていたことが分かり、金融庁は異例の再報告を求めた。みずほ銀行は第三者委員会の調査報告書に基づき、経営陣を大量処分した。

ランキング