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【Q&A】メニュー偽装 ブランド志向過剰 モラル任せに問題

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【Q&A】メニュー偽装 ブランド志向過剰 モラル任せに問題

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 全国のホテルや旅館のレストランで、メニュー表示と違う食材を使っていたことが相次いで明らかになっています。

 Q 発覚した経緯は

 A 6月にプリンスホテル(東京)で、チリ産牛肉を国産と表示したことなどが判明。これをきっかけに自主調査した阪急阪神ホテルズ(大阪市)が10月、47種類の食材で表示と異なっていることを公表しました。その後、調査に乗り出した札幌市や名古屋市、京都市のホテルなどでも問題が見つかっています。

 Q どんな問題が見つかったの

 A ロブスターを使った料理を「伊勢海老のテルミドール」、オーストラリア産牛肉の成型肉を「和牛ステーキ」と表示するなど、メニュー偽装が大半です。中には景品表示法で「加工肉」と明記しなければならないとされている牛脂注入牛肉を「ビーフステーキ」とだけ表示したケースもありました。

 Q どうしてそんなことをしたの

 A ホテル側は「利益目的ではなく、勘違いによる表示ミス」と釈明しています。阪急阪神ホテルズの幹部は「客の目に留まるメニューにしようと思った」と話し、産地や銘柄の表示で特色を出そうとしたようです。背景に食の安全安心を求める消費者の声があり、行き過ぎたブランド志向で「自縄自縛に陥った」と指摘する声もあります。

 Q ここまで騒ぎが広がったのはどうして

 A 阪急阪神ホテルズでは、不十分な調査で幕引きを図ろうとして批判を浴び、社長が辞任に追い込まれました。近鉄系ホテルの幹部は「偽装ではない。返金するまでもない」と発言。利用客側にとっては、ホテル側の姿勢が不誠実に映ることも原因のようです。

 Q 違反にはならないの

 A 小売店の生鮮食品は日本農林規格(JAS)で表示方法が決まっていますが、飲食店の料理は対象外です。加工肉をステーキとした例のように、商品が実際より優良と見せかけることは景品表示法に違反する場合があり、消費者庁が調査しています。2007年に発覚した大阪市の料亭「船場吉兆」の偽装問題では、不正競争防止法違反容疑で元社長らが書類送検されました。

 Q 再発防止策は

 A 客が舌で産地を見分けることは難しく、店側のモラルに任されているのが実情です。ただ一連の問題を受け「日本中国料理協会」(東京)は、種類を問わず小さいエビを「シバエビ」と呼んできた業界の慣習を改めるよう通達を出しました。店側も「自家菜園野菜」を「季節の野菜」と書き換えるなど、誤解を防ぐ対策も少しずつ広がっています。

 ≪「加工肉」の指針生かされず≫

 近鉄ホテルシステムズ(大阪市)が、レストランのメニューに牛脂を注入した加工肉と明記しなかった問題では、その理由を「担当者が知らなかった」と説明した。消費者庁は過去の同様のケースをきっかけに、問答形式の指針を公表していたが、生かされなかった。

 消費者庁によると、2011年3月、肉を貼り合わせて「ステーキ」として販売した飲食店に措置命令を出したことをきっかけに、ホームページで公開する「表示に関するQ&A」に、加工肉料理に関する項目を追加。あらためて注意を呼び掛けた。

 Q&Aによると、牛脂注入加工肉は生鮮食品の「肉類」ではなく、加工食品の「食肉製品」に該当するため、1枚の生肉を焼いた料理の表現「ステーキ」を使うと景品表示法上の優良誤認となり、問題となる。消費者庁は「牛脂注入加工肉使用」などと明確に記載すべきだとしている。

 近鉄ホテルシステムズが経営するホテルでは「ステーキ」や「ビーフステーキ」の表示が使われていた。担当者は「消費者庁から通達がなく、項目の追加も認識できなかった」と話している。(SANKEI EXPRESS

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