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トヨタ営業利益 6年ぶり2兆円へ

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トヨタ営業利益 6年ぶり2兆円へ

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 トヨタ自動車は11月6日、2014年3月期の本業のもうけを示す連結営業利益予想(米国会計基準)を従来の1兆9400億円から2兆2000億円に上方修正した。2兆円を上回るのは6年ぶり。

 前期比では66.6%の大幅増益。リーマン・ショック前に過去最高を記録した08年3月期(2兆2703億円)に迫る水準となり、収益回復を印象付けた。

 アベノミクスに伴う円安効果で、輸出採算が改善すると想定、業績予想の前提の為替レートを1ドル=92円から97円に見直し、2200億円の利益押し上げを見込んだ。

 北米市場での好調な販売も寄与。売上高は13.3%増の25兆円、最終利益も73.6%増の1兆6700億円を予想した。

 製造業で国内最大のトヨタの好業績は日本経済の回復を後押しし、雇用や賃金の改善が期待されそうだ。

 東京都内で記者会見した小平信因(こだいら・のぶより)副社長は、消費税率が引き上げられる来年4月以降の国内事業の見通しについて「現時点で具体的な影響を申し上げるのは難しい」と指摘。その上で、増税前に国内販売の駆け込み需要をある程度想定しているとの認識を示した。

 小平副社長は、政府から要請されている賃上げにも触れ、「業績が改善すれば報酬で従業員に還元するのは当然。具体的にどうするかはこれから労働組合と議論する」と述べた。

 13年9月中間連結決算は、最終利益が前年同期比82.5%増の1兆6億円と6年ぶりに過去最高を更新した。中間決算で1兆円を超えたのは初めて。為替が前年同期の1ドル=79円から20円円安に振れ、5400億円に上る増益要因となった。

 中間決算の売上高は14.9%増の12兆5374億円、営業利益も81.0%増の1兆2554億円と大きく伸びた。

 ≪高まる賃上げ期待、見通せぬ先行き 「今がむしろ危ない」≫

 トヨタ自動車は2014年3月期の連結営業利益予想が過去最高水準に迫り、13年のグループ世界販売でも初めて1000万台を超える公算が大きい。「最強トヨタ」に政府からは賃上げの先導役も期待される。その一方でライバルの日産自動車は減益に沈んだ。14年4月の消費税増税など業界を取り巻く懸念材料も目立ち、自動車産業が国内景気を牽引(けんいん)し続けられるかは不透明だ。

 トヨタの小平信因(こだいら・のぶより)副社長は11月6日の記者会見で「東南アジア諸国連合(ASEAN)全体では前年以上の販売を期待している」と力を込めた。

 トヨタグループの13年1~9月の世界販売(ダイハツ工業と日野自動車を含む)は約741万台。米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の約725万台を上回っており、残り10~12月の上積みで1000万台達成も視野に入っている。

 ただ、ここにきて「タイやインドネシア、インドの販売は減速気味」(トヨタ系大手部品メーカー首脳)と日本車が強い東南アジア市場の変調を指摘する声も相次ぐ。

 それだけに、今後は増税前の駆け込み需要の取り込みが鍵を握ることになる。

 賃上げや雇用増に貢献を求める声が強まるトヨタ。社内では「急速な円安で実力以上にもうかるようになってしまった」(幹部)と戸惑いも聞かれる。経営陣も「好業績でほめられている今がむしろ危ない」と手綱の引き締めに懸命だ。

 増税に加え、トヨタのお膝元では中部電力が企業向け電気料金の平均8.44%値上げを政府に申請。トヨタにとっても「二重の負担」で、業績は見通しにくい状況ともいえる。

 それでも自動車業界では「現実問題としてトヨタが賃上げしないと下請けもできない」(自動車アナリスト)。最高益をほぼ手中にした以上、取引先に対するコスト削減要求の緩和など利益還元を求められる場面も想定される。(SANKEI EXPRESS

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