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4度目の宇宙…若田船長、ISS到着

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4度目の宇宙…若田船長、ISS到着

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 宇宙飛行士の若田光一さん(50)ら日米露の3人が乗るロシアの宇宙船「ソユーズ」が国際宇宙ステーション(ISS)に向け11月7日午前10時14分(日本時間午後1時14分)、カザフスタンにあるバイコヌール宇宙基地からロケットで打ち上げられた。ソユーズは地球を4周し約6時間後、高度約400キロのステーションに到着。若田さんは7日午後6時40分(日本時間午後9時40分)すぎ、ISSに入った。

 若田さんは来年5月まで約半年間滞在し、後半2カ月間は日本人初のISS船長に就任する。4度目の飛行となった若田さんは各国の宇宙関係者が信頼を寄せる「日本人飛行士のエース」。39代目の船長として6人チームの実験作業を指揮し、火災発生などの緊急事態への責任を持つ。ソユーズは来年2月にロシア南部ソチで開催される冬季五輪を盛り上げようと聖火トーチも運搬。ISSで船外に持ち出された後、地球に戻され、五輪開会式で最終ランナーが聖火台に点火する際に用いられる。

 世界的水準に

 若田さんがISSで日本人初の船長に就任することは、日本の宇宙開発が人材面でも世界的な水準に達したことを意味する。日本人が宇宙に行くようになって約20年。飛行士の頂点に立つ船長の輩出は歴史的な一歩となる。

 日本人飛行士は1992年、毛利衛さん(65)が米スペースシャトルに初搭乗。当初は実験だけを行う補助的な立場だったが、96年の若田さん以降は宇宙船の操縦や運用に関わる本格的な任務を担当するようになり、長期滞在も既に4人が経験した。

 ISSの船長は米露の飛行士が交代で務めてきたが、欧州、カナダに続き日本も米国枠の割り当てにより可能になった。若田さんは傑出した能力と資質が国際的に評価されて就任が決まったが、日本の飛行士養成力の高さを示したともいえる。

 問われる手腕

 日本の技術的な貢献も大きい。2009年に完成した「きぼう」はISS最大の実験棟で、不具合の少なさや安定した運用で高く評価されている。

 物資補給機「こうのとり」も4機が成功するなど、日本はISSの運用に不可欠な存在となっており、その信頼と実績が船長誕生につながった。

 ただ、ISSは期待されたほどの実験成果は出ておらず、米国は有人宇宙開発の軸足を火星へ移した。ISSに総額約8000億円の関連予算を投じてきた日本政府も、今年度から費用対効果を厳しく問う姿勢を打ち出している。

 若田さんは「私に与えられたことをきちんと実行していくことが、第2、第3の日本人コマンダー(船長)につながる」と話す。

 逆風の中、宇宙活動の意義を現場からいかにアピールできるか。ここでも船長の手腕が問われる。(SANKEI EXPRESS

 ■国際宇宙ステーション(ISS)船長 実験や船外活動などの計画を調整する現場責任者。コマンダー(指揮官)と呼ばれ、滞在飛行士6人のうち1人が任命される。全員の作業状況や健康状態を把握し、地上管制局とスケジュールなどの打ち合わせを行う。緊急時には船内の安全確保を指揮する。米露以外では2009年のベルギー人、13年3月のカナダ人に続き若田光一さんが3人目。

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