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ソチの子へ「同性愛は正常」 米Tシャツメーカー 五輪期間中に塗り絵帳配布

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ソチの子へ「同性愛は正常」 米Tシャツメーカー 五輪期間中に塗り絵帳配布

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ロシア・ソチ  社会活動を行っている米国のTシャツメーカーが、ロシアで今夏に成立した「同性愛宣伝禁止法(反同性愛法)」への抗議の一環として、来年2月にソチ冬季五輪が開催される期間中、ソチや首都モスクワの子供たちに「同性愛は正常」などとアピールした塗り絵帳計1万部を郵送で贈ると発表した。ソチ五輪をめぐっては、ウラジーミル・プーチン露大統領(61)が先月(10月)末、同性愛者の選手や観客が差別されることはないと明言したが、一方で政府当局者は、同性愛宣伝禁止法自体はあくまで執行されると発言しており、計画が実行されれば、新たな米露間の火種にもなりかねない。

 「禁止法」に抗議

 このTシャツメーカーは、ミシガン州に本社がある「FCKH8.com」社で、同性愛や同性婚に関する肯定的なメッセージが書かれたTシャツやアクセサリーを販売するなどして、同性愛者たちの平等な権利実現を目的とした社会活動を行っている。

 米ニュースサイト、ハフィントンポストなどによると、FCKH8社が贈る予定の塗り絵帳は「ミーシャと2人のママがオリンピックに行く!」との表題が付けられ、ママはレズビアンという設定になっている。各ページには英語とロシア語で絵の説明が書かれ、「ゲイはOK」と書かれたプラカードを持った男性が治安当局者に棒で殴られる絵には「警官がボクのママたちと同じ同性愛の人たちを痛めつけるのを見て、悲しい気持ちにさせられた」との少年ミーシャのコメントが書かれている。

 「五輪精神に反する」

 塗り絵帳には他にも、ミーシャの友人のゲイのパパ同士がキスしている絵や、五輪の表彰台で女性メダリスト同士がキスしている絵などが含まれている。

 FCKH8社の創設者、ルーク・モンゴメリーさん(39)は塗り絵帳を贈る目的について「ロシアの子供たちにゲイやレズビアンは普通のことだと分かってもらうために贈る。同性愛を肯定する言葉を発しただけで罰せられるなんて、人権にも五輪精神にも反している。こんな法律は破棄されなくてはならない」と語っている。

 プーチン政権は今年6~7月、(1)子供に悪影響を及ぼすため、ゲイパレードの開催や参加を禁止し、同性愛を肯定するような情報をテレビやインターネットで流すことを禁止する(2)同性愛カップルへの養子は認めない-ことを柱とする同性愛宣伝禁止法を成立させた。また、外国人がロシアでこの法に触れる行為をした場合、5000ルーブル(約1万5000円)以下の罰金及び15日以下の拘留と強制送還に処すことも規定した。世界的潮流とは逆行するかのようにこの法を成立させたのは、支持率低迷に悩むプーチン氏が、欧州で最も同性愛に非寛容とされるロシアの保守層の支持を固め、政権浮揚を図ろうとしたためとみられている。

 恣意的運用に懸念

 ただ、この法には施行細則が盛られておらず、政権側の恣意的運用が可能で、五輪への影響が懸念されていた。そこでプーチン氏は先月(10月)、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(59)をソチに招き、「ソチ五輪では民族や人種、性的指向と関係なく、参加選手や観客が快適に感じられるようにする」と約束した。

 ただ、一方で法は執行されるとなれば、この約束は「黙っていれば何もしない」と言っているに過ぎない。プーチン政権が塗り絵帳の送付を看過するとは考えにくく、米露文化摩擦が五輪に及ぼす影響が懸念される。(SANKEI EXPRESS

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