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経済
米MS、Tシャツやカップでグーグル攻撃 レトロな方法…その背景は?
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年末商戦入りを前に米マイクロソフトが、ネット検索最大手、グーグルへの攻撃に乗り出した。グーグルが扱うGメールなどのデジタルサービスは消費者の情報を盗み取っているとして、プライバシー侵害を訴えるマーケティングキャンペーンを始めたのだ。
その手法は反グーグルの文言を記したTシャツや帽子、さらにはマグカップまで販売するというもの。
IT(情報技術)企業らしからぬレトロなやり方に、ケンカを売られたグーグルは「驚くに値しない」と静観の構えだが、あまりに開けっ広げな仁義なき戦いの行方が注目される。
米紙ウォールストリート・ジャーナルなどによると、マイクロソフトのキャンペーンは「スクルーグレッド」と命名され、グーグルは入手した顧客情報を使ってデジタル広告を出したり、インターネット検索結果を意図的に絞り込んだりしているなどと訴えている。
マイクロソフトは11月20日から自社のオンラインストアで反グーグルグッズを売り出した。
その1つがマグカップ(7ドル99セント=約810円)で、グーグル・クロームのロゴを配し、第二次大戦中の英国で国威発揚のために用いられたキャンペーンフレーズ「キープ・カーム・アンド・キャリー・オン(冷静さを保ち、戦い続けよ)をもじって「キープ・カーム・ホワイル・ウィー・スティール・ユア・データ(われわれがあなたのデータを盗み取っている間、冷静さを保とう)」とのタグラインが書かれている。
この他、不気味なクモが描かれた「われわれの巣に入れ」とのタグライン付きのTシャツ(25ドル99セント=約2630円)やスクルーグレッドのロゴがプリントされた帽子など、8種類のアンチグーグル商品を発売した。
マイクロソフトのやり方はスマートではないと批判する声もあるが、広報担当者は「反グーグル商品は関心を引き、おもしろいやり方だ。消費者の共感を呼んでいる」と話している。一方、グーグルの広報担当者は「マイクロソフトの最近の冒険的試みは驚きに値しない。ただ、ウェアラブル(身につけられる)商品の競争がまさに過熱しているのは確かだ」と述べた。
これは、グーグルがメガネ型のウェアラブルコンピューター「グーグル・グラス」の開発に邁進(まいしん)しているのに、マイクロソフトはTシャツや帽子の開発に力を入れている場合なのか-と皮肉ったものと受け取られている。
現在、米国ではIT関連株が活況を呈している。基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載したスマートフォン(高機能携帯電話)の普及でネット広告が伸びているグーグルはその最たる存在で、10月には1000ドルを突破し、9年前の公募価格85ドルが12倍にも膨らんだ。
一方、マイクロソフトも好決算を発表し、株価は堅調だ。しかし、スマートフォンやタブレットで乗り遅れ、またOSで制覇したパソコンが不振となり、かつて「帝国」と呼ばれた頃の面影はない。
この2社は2年前にはグーグルが、マイクロソフトのサーチエンジンがグーグルの検索結果を不当に真似ていると批判して、大げんかした前歴がある。
今度は立場を変えたが、背景にはマイクロソフトの焦りがあるのかもしれない。(SANKEI EXPRESS)