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猪瀬知事 5000万円「借用証」公開、辞任は否定 押印・返済期限なくても「原本です」

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猪瀬知事 5000万円「借用証」公開、辞任は否定 押印・返済期限なくても「原本です」

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 東京都の猪瀬直樹知事(67)が昨年12月の知事選前に医療法人徳洲会(とくしゅうかい)グループから現金5000万円を受け取った問題で、猪瀬氏は11月26日、都庁で記者会見し、徳田毅(たけし)衆院議員(42)との間で交わした「借用証」を公開、改めて個人的な借入金だったと強調した。

 猪瀬氏は冒頭、「都民や都職員、都議会の皆さまに迷惑をかけ、心よりおわび申し上げる」と謝罪した。一方で、「身を粉にして仕事をきちっとやることが償い」と述べ、辞職の意思がないことを明らかにした。

 猪瀬氏によると、昨年11月6日に徳洲会系列の湘南鎌倉総合病院でグループ創設者の徳田虎雄氏(75)に面会し、都知事選出馬のあいさつをした。(11月)14日には都内で虎雄氏の次男、毅氏と会食。(11月)19日には毅氏から「議員会館においでいただきたい」との電話を受けたため、(11月)20日に単身で事務所を訪問。その場で借用証への署名を求められ、名目を告げられることなく5000万円を受領したという。現金は妻の貸金庫に預けていたとした。

 借用証は今年9月26日に5000万円を返済後、毅氏側から郵送で返却されたという。その後、自分の貸金庫に保管していたが、猪瀬氏は25日朝に初めて現物を確認したという。

 猪瀬氏が公開した借用証には押印がなく、印紙も貼られておらず、返済期限も書かれていなかったが、「間違いなく原本です」と強調した。借用証が入っていた消印付きの封筒などは示さなかった。

 ≪押印・返済期限なくても「原本です」≫

 猪瀬氏は会見冒頭、徳田毅(たけし)衆院議員(42)の事務所から郵送されたという借用証を報道陣に掲げた。だが、示された借用証はA4判1枚に日付と名前、金額が記されているだけ。報道陣からは「最近作ったのではないか」と疑う質問が出たが、猪瀬氏は「間違いなく原本」「信用していただくしかない」と応じた。

 「個人」という言葉連発

 これまでの借用証についての説明は大きく変遷している。11月22日の定例会見では「あるかどうかわからない」と話したが、23日の総合防災訓練後の囲み取材では「あります。捜せば」と変化。そして25日の朝になって「貸金庫にあることが確認された」という。

 猪瀬氏が借用証の公表に踏み切ったのは、5000万円はあくまで個人での借り入れで選挙資金ではないこと、つまり公職選挙法違反(選挙運動費用収支報告書への不記載)ではないことを強調する目的があったとみられる。この日の会見でも、しきりに「個人」という言葉を連発した。

 選挙目的払拭できず

 ただ、個人の借金を強調しても、借り入れ時期が立候補直前のため、選挙目的という疑念はぬぐえない。

 この日の会見で、資金提供のきっかけとなった毅氏との会食では「選挙にお金が掛かるのは常識との話があった」など、微妙な表現ながら“選挙とカネ”の話があったことは認めた。

 自身も一度は「資金提供という形で応援してもらうことになった」(22日午後1時すぎの囲み取材)と釈明している。

 5000万円が、仮に「選挙のための寄付金」とみなされた場合は、公選法に触れる可能性がある。寄付金を受け取った人は、選挙の出納責任者に報告することが公選法で義務づけられているからだ。

 また、「政治活動のための借入金」とみなされれば政治資金規正法違反の可能性もある。さらに、徳洲会側から何らかの便宜を求める依頼があった場合は、贈収賄罪の適用も視野に入る。東京地検特捜部は今後、関係者から事情を聴くなどして違法性の有無を確認する見通しだ。

 議会対策で公表?

 「都民、都庁職員、都議会の皆様に多大なご心配ご迷惑をおかけしまして大変申し訳ございません」

 猪瀬氏は26日の会見で、こういって頭を下げた。今月(11月)29日には都議会の開会を控えており、あえて都議会にも言及したことから「借用証公表は議会対策では」との見方もある。

 「会見で辞意を表明するのかと思った」。ある都議は会見後にこう苦笑した。副知事就任時から猪瀬知事と都議会の関係は必ずしも良好ではなく、「独断専行」との声もある。

 この日、都議会最大会派の自民は総会を開き、議会対応を議論。会見が開かれたのは、総会の約1時間前だった。自民の吉原修幹事長(58)は「説明が二転三転するなど、疑問が残る」と指摘、「まだ都議会に対する説明責任は果たしておらず、問題は解決していない」と述べた。

 6月の都議選で第三党に躍進した共産は、地方自治法に基づく調査特別委員会「百条委員会」の設置を提案する構えだ。(SANKEI EXPRESS

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