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【フィギュア】「真央がいたから」宿命の2人、ソチで再び キム・ヨナ今季初戦V
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ソチ五輪で悲願の金メダルを目指すフィギュアスケート女子、浅田真央選手(23)の最強ライバルがリンクに帰ってきた。クロアチアのザグレブで12月7日、国際大会ゴールデンスピンのフリーが行われ、2010年バンクーバー五輪金メダルの金妍児(キム・ヨナ)選手(23)=韓国=が前日のショートプログラム(SP)との合計204.49点で優勝した。右足甲の故障でこれが今季初戦だが、同じ7日に福岡市で行われたグランプリ(GP)ファイナルで優勝した浅田の204.02点をわずかに上回り、“女王健在”を見せつけた。銀に終わったバンクーバーで悔し涙を流した浅田。同い年の宿命の2人はソチのリンクで再び相まみえる。
「結果には満足している。いくつかミスはあったけれど、集中して最後まで演じられた」。冒頭の3回転ルッツで尻もちをつき、得意の連続3回転が単発になっても、金妍児は慌てることなく、見事に立て直してみせた。
ジャンプで着氷する右足を9月に痛めた影響か、加点をもらえる美しいジャンプや演技のスピードは戻っていない。それでも持ち前の情感豊かな滑りで、演技構成点ではスケート技術と音楽の表現の2項目で高得点の9点台を出した。加点される演技後半のジャンプで2連続、3連続を決め、スタミナ不足への不安も一蹴した。
「大会が違えば、ジャッジも違う。得点は同じ試合で戦ったときに比べるべきでしょ」
浅田と比べられることにはもう慣れっこだ。格が落ちる小さな大会での得点なのは分かっている。互いに「現役最後」と覚悟を決めた今季、ソチのリンクで初めて同じ舞台に立つはずだ。
「今回の五輪は金メダルが一番の目標じゃない。いかに美しくスケーター人生の幕を引けるか」と、金妍児は話した。もちろん勝負師の本音ではない。
今大会前の会見では、「10年間、ライバルの関係。彼女の存在が今の自分の演技に力を与えるモチベーションになっている」と、穏やかな表情ながらも浅田への強い思いを吐露した。「浅田真央がいなかったら今の私もいなかった」と口にした金妍児の言葉は、きっと浅田にとっても同じだろう。
GPファイナルで2年連続4度目の優勝を果たしソチへの切符をほぼ手中にした浅田は一夜明けた8日、エキシビションに登場し、笑顔いっぱいの演技で会場を魅了した。
「自分の目標を達成できるように、まだまだ頑張らないといけない」。前日のフリーで得意技のトリプルアクセル(3回転半)を2回入れ、いずれも成功させることができなかった浅田は、「いろいろ練習して、こういうときなら跳べるというものを明確にしていきたい」と、レベルアップを誓った。
「アクセルを2回決めたのはよかったけど、演技にはぜんぜん満足していない」と、とめどなく涙を流したバンクーバーから4年。目標はもちろん金妍児と同じだ。金メダルしかない。(SANKEI EXPRESS)