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袋小路のタイ反政府デモ 首都封鎖 商業エリア占拠で混迷
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タイ政局最近の動き=2013年11月1日~2014年1月13日 タイのインラック政権打倒を訴える反政府派は1月13日、首都バンコクの主要な交差点を占拠する大規模デモ「バンコク封鎖」を始めた。警察によると、13日午後2時現在で約6万3000人が参加。中心部の主要道路の一部は遮断され、地元メディアによると約120万人に影響が出た。反政府派は2月2日実施の総選挙延期を求め、政権への圧力を強める。
政府は約3万人の警官や兵士を動員して警戒。「平和的なデモ」を容認するインラック首相は強制排除しない方針だが、デモ隊と治安部隊や政府支持派との衝突も懸念され、緊張は高まっている。インラック氏は13日午前、関係閣僚を集め、総選挙を予定通り実施することを確認した。
反政府派は、日本大使館近くの公園や日本人が多く住むスクムビット地区など新たに7カ所にステージを設置して拠点化。チャオプラヤ川に架かる橋の一つを封鎖し、一部は外務省などの政府庁舎を包囲した。
デモを主導するステープ元副首相は13日、「われわれの目的はタクシン(元首相)体制の一掃だ」と主張した。封鎖期間は「インラック政権を打倒するまで」とし、14日以降も続ける方針だ。
タイには多くの日本企業が進出しており、デモ隊の拠点近くに事務所を構える企業では自宅勤務を認めた社もあった。日本人学校は臨時休校に追い込まれるなど、日本人社会にも混乱は広がった。
13日未明には、バンコクにある最大野党、民主党本部に向けて何者かが発砲したが、けが人はなかった。
一連のデモは、インラック氏の兄で国外逃亡中のタクシン氏の帰国を実現させる恩赦法案をきっかけに昨年(2013年)11月に激化。行政当局によると、これまでに8人が死亡、約470人が負傷した。(共同/SANKEI EXPRESS)
≪首都封鎖 商業エリア占拠で混迷≫
「バンコク封鎖」を開始した反政府派は、官庁街の拠点を商業地域などにも拡大、昨年(2013年)から続く抗議行動は新局面に入った。だが、政府は要求に応じない構えで反政府派との溝は埋まらないまま。問題解決は見通せず、タイ情勢は混迷の度を深めている。
商店が立ち並ぶバンコク中心部のパトゥムワン地区。交差点の中央には巨大ステージが設置され、強い日差しの下、国旗の赤、白、青の3色をあしらったリストバンドやストラップを身につけた数千人がステージを取り囲むように座り込んだ。参加者は運動の象徴となっている笛を吹き鳴らし、気勢を上げた。
中部ナコンサワン県から駆けつけたトウモロコシ農家の女性ブンルー・ンガンコムさん(49)は、「選挙をやっても同じメンバーが政権に就くだけ。デモの目的を遂げるまでここに居続ける」と語気を強めた。
バンコク中心部の商業地域での占拠が長引けば、市民生活への影響など混乱拡大は必至。反政府派と、警官隊や政府支持派との衝突で流血の惨事となれば、噂が絶えない軍によるクーデターが一挙に現実味を帯びる。
ただ、2006年に当時のタクシン首相を失脚させたクーデター後も政治対立が続いてきただけに、仮に軍がクーデターを起こして事態を沈静化しても、根本的な解決にはつながりそうにない。
反政府派は、汚職で有罪判決を受け海外逃亡中のタクシン元首相の帰国を実現させる恩赦法案を、昨年(2013年)11月に政権与党が下院で強行採決したことに批判を強めた。
政権側は恩赦法案を撤回し、下院解散、総選挙に打って出たが、勢いづいた反政府派は「タクシン体制打倒」を掲げる。
総選挙を実施すれば地方の農民らを主な支持基盤とするタクシン派の勝利は確実視され、反政府派は総選挙の前に政治改革による現行システムの見直しを求める。
選挙管理委員会も総選挙延期や手続きやり直しを勧告するが、政権側は2月2日実施を譲る姿勢を見せない。反政府派側も「総選挙延期だけでは不十分」とあくまで退陣を求め、状況は袋小路に陥っている。(共同/SANKEI EXPRESS)