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エジプト観光復活の兆し
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エジプトの危険情報=2014年1月11日現在
革命やクーデターによる政情不安で観光業の低迷が長期化するエジプトで、本来は商売敵である日系観光業者や日本の旅行各社が「力を合わせよう」と結束、日本人客の呼び戻しに取り組んでいる。日本の旅行大手数社がツアーの再開を検討、2月からの再開を決めた社もあるなど、日本からのエジプト観光に復活の兆しが見え始めた。
「一日も早く直行便を復活して」。エイチ・アイ・エス(HIS)や近畿日本ツーリストなどが参加した日本旅行業協会(東京)の視察団は昨年(2013年)12月上旬、カイロを訪れ、全面運休が続くエジプト航空の成田-カイロ、関西-カイロ便の再開をファデル民間航空相に直訴した。
乗客の少なさから採算が合わず、1回の運航で25万ドル(約2600万円)の損害が出ると渋るファデル氏に、視察団副団長で旅行会社グローバルユースビューローの古木康太郎会長は「ニワトリが先か、卵が先かだ」と迫り、直行便が再開すれば観光客も戻ると訴えた。
エジプトの日本人観光業者らでつくる「エジプトランドオペレーター有志連盟」も、主要観光地の治安などに関する視察報告書をまとめ、関係各所に安全性をアピール。
日本の外務省は昨年(2013年)12月13日、有名観光地のルクソール、アスワン、アブシンベルなどの危険情報を、4段階で最も低い「十分注意してください」に一斉に引き下げた。
世界遺産創設のきっかけとなった古代遺跡、南部アブシンベルの巨大神殿では昨年(2013年)12月下旬、観光シーズンにもかかわらず閑古鳥が鳴いていた。観光業スタッフのラマダンさん(26)は「以前は外国客の中で日本人が一番多かった。危険情報は下がったのに、どうして戻ってきてくれないんだ」と嘆く。
地元ガイドによると、2011年の革命前は5000人の観光客が神殿に押し寄せた日もあったが、現在は30人程度。約150部屋ある神殿近くのリゾートホテルにこの日宿泊した客は3組だった。
それでもウルグアイから新婚旅行で来た電気技師のベンタクルさん(38)は「歴史が好きだから旅行先に選んだ。最高だよ」と満足げ。ホテル従業員は「(2013年)7月のクーデター後の混乱も収まってきたし、直に客足も戻るさ」と楽観的だ。
エジプトで20年近く観光業に従事する石原由加利さん(49)は「今年こそはと念じてはや3年だが、今回の危機がこれまでで一番長く厳しい。業界全体で連携し、14年こそはいい年にしたい」と意気込んだ。(共同/SANKEI EXPRESS)