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【勿忘草】お正月

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【勿忘草】お正月

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 あけましておめでとうございます。

 このあいさつが使えるのは松の内(1月15日まで)だそうだ。とはいえ仕事始めから早や1週間、すっかり正月気分も消え、「あけましておめでとう」のあいさつが似つかわしくないと感じる人も多いだろう。

 かくいう私は大みそかに宿直勤務となり、会社で新年を迎えるという、光栄か貧乏くじかわからない状況を2年連続で引き当てた。勤務中なので気になるテレビ番組を見るわけにいかないし、数年前には全盛だった「あけおめメール」を送るわけにもいかない。かろうじて社内にいた先輩後輩とあいさつを交わし、「今年も仕事一色なのかな」と不穏なことを考えた。

 当然、年越しそばも食べていない。1人暮らしでは、お節料理も用意しない。それでも、コンビニエンスストアに行けば数の子や黒豆などのお節の具材が売っている。数年前まで行っていたデパートでも、今や福袋がインターネット通販で買えるようになった。便利になる暮らしの中で、「正月らしい」諸々が、切り売りされている。今や、正月らしさは意識して作り上げないと、なかなか味わうことができないものらしい。

 数年前から、「年賀状をやめます」と宣言する人も増えた。面倒だなと思いつつ文面を考えるのが楽しみな身としては、もらえる年賀状のバリエーションが減っていくのは少し寂しい。

 そういえば1年前の年末年始は母が入院し、病院と実家と自宅を行き来する日々だった。大みそかも元日も同じ1日であることに変わりはないが、入院患者や家族にとっては、大変な1年が終わり、健康な1年がやってくるよう願う大事な節目だ。

 母が入院していた病院では、大みそかに年越しそばが出た。最近ではおいしい食事を売りにする病院も多いが、母がいた病院は残念ながら味はいまいち。それでも退屈な入院生活に歳時の彩りを加えてくれた病院側の気配りに、母は泣きながら食べたという。

 「あんなにまずくて、あんなにおいしいそばを食べたのは初めてだった」

 2014年。皆さまが健康で幸多い1年を送られますようお祈り申し上げ、今年初の勿忘草を締めさせていただきます。(道丸摩耶/SANKEI EXPRESS

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