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豪華な逸品、紅白で祝うお正月 祇園さヽ木

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豪華な逸品、紅白で祝うお正月 祇園さヽ木

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紅白をイメージしたお向の「とろの寿司_鯛_車海老_寒鰤(ぶり)_あしらい」  【京都うまいものめぐり】

 ≪世界に誇る「和食」 伝統守りつつ進化≫

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された「和食」。その「和食」を代表する京都・祇園の「祇園さヽ木」は開業から現在まで17年間、満席が続き、京都で最も予約が取りにくいことで知られる超人気店だ。「ミシュランガイド関西」でも2010年(初年度)から4年連続で二つ星を獲得し高い評価を維持している。店主兼料理人、佐々木浩さん(52)にお正月を感じさせる逸品の数々を披露いただくとともに「和食」への思いを聞いた。

 包丁さばき、トーク光る

 八坂の塔を望むいかにも京都らしい抜群のロケーションで知られる「祇園さヽ木」。店内に足を踏み入れるとまず目に飛び込んでくるのが長さ約10メートルのマホガニーの一枚板でできたカウンター席(全17席)。さらにその中央にはピザ窯まで鎮座。常識やジャンルにとらわれず、和食を進化させようという意気込みが伝わる。

 ここで、佐々木さんはじめ、料理人の面々の包丁さばきを眼前で眺めながら、最高の食材を使った料理の数々を楽しむわけだが、食事はお客さんがみんな集まってから同時スタートするというスタイルを取っており、カウンター席ならではの臨場感と、こうした形態が生みだす作り手とお客さんとの間で生まれる心地よい一体感はまさに食のエンターテインメント。佐々木さんの軽妙なトークも雰囲気を盛り上げる。

 「ふぐ」ならぬ「ふく」

 佐々木さんに、正月を感じる逸品を作っていただいた。まずは先附。「お正月なので福。だからふぐではなくてふくですね」(佐々木さん)という「ふくの湯引き」と「ふく白子すり流し色紙柚子」。

 薄塩で昆布締めして湯引きしたふくはポン酢ではなくイクラの塩味でいただく。食感が絶妙なすり流しとともに素材の持ち味をシンプルに追究している。

 続いてお正月を祝う意味のお祝は「唐墨(からすみ)餅」。新年らしいお餅に自家製の唐墨が入った珍しいものだ。お膳の向こう側にお造りなどを盛るお向は海の幸で「とろの寿司 鯛 車海老 寒鰤 あしらい」。

 「お正月らしい紅白感を視覚に訴えた」(佐々木さん)という豪華な逸品。函館・戸井漁港のマグロ(とろ)や富山県・氷見漁港のブリなど、当然、素材にこだわり、その上でさらに「松の皮に似せた松皮づくりの鯛」(佐々木さん)でめでたさを表現。和食らしい繊細な工夫が感じられる。

 焼肴「真魚鰹(まながつお)味噌漬け 小蕪石窯焼き 胡麻酢ひいて いり大徳寺納豆」は、カウンターにあったピザ窯で京都産の小蕪を焼き、シンプルに塩だけで調理した。

 そして鉢は「鍋にて ふかひれ焼目 小松菜 もぐさ生姜 友地べっこうあん」。「香港から取り寄せたふかひれを、すっぽんのだしで鍋にした」(佐々木さん)という他ではお目にかかれない豪華な逸品だ。

 「本物を発信」

 いずれの料理にも「和食」の伝統を忠実に守りながら、その幅や奥行きを広げようとするチャレンジ精神が感じられる。それだけに「和食」を世界遺産にと動いた一人として佐々木さんは「和食」の世界遺産決定に「やっと世界に認められた。海外には先附から始まり、デザートで締める伝統的な『和食』を提供するお店はありません。

 これで世界が『和食』を見る目が変わります」と喜ぶ。「和食」が選ばれた理由については「四季折々の季節の移り変わりや文化と密接に結び付いた点に尽きると思います。この器はなぜこの季節しか使えないか、といった深いこだわりは『和食』だけだと思います」。

 そして、「和食」の神髄といえる京料理を「温故知新の気持ちをもって、その幅を5センチでも広げ、進化させたい」と意気込む。

 「目標はパリ進出です。パリから本物の『和食』(京料理)を発信させたいですね」(文:岡田敏一/撮影:恵守乾/SANKEI EXPRESS

 ■祇園さヽ木 京都市東山区八坂通大和大路東入小松町566の27、(電)075・551・5000、営業時間は昼が正午~0時30分(ラストオーダー)。夜は午後6時30分~。定休日は日曜日、第2月曜日、不定休。完全予約制で、予約は1カ月前の午前9時から電話で。

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