ニュースカテゴリ:EX CONTENTS
スポーツ
【ジャンプ】「また戻ってくる」 高梨、涙の誓い まさかの失速…4位
更新
メダルを逃した後、多くの選手から声をかけられる高梨沙羅。気丈に振る舞っていたが、目には涙がたまっていた=2014年2月11日、ロシア・ソチのルスキエゴルキ・センター(大里直也撮影) ソチ五輪第5日の2月11日行われた新種目のノルディックスキー・ジャンプ女子で、金メダルの本命とみられていた高梨沙羅(クラレ)は100メートル、98.5メートルの合計243.0点で4位入賞にとどまった。今季のワールドカップ(W杯)13戦10勝を挙げ、初の五輪に臨んだ17歳の天才少女は、ソチの地で実力を出せず失速した。冬季五輪初代女王にはW杯未勝利で22歳のカリーナ・フォクト(ドイツ)が輝いた。
「自分ではいつもと同じような気持ちで臨んだつもりだった。思い通りに飛べなかったのはメンタルの弱さ」。試合後、しっかりした口調で語りながら、今にも泣き出しそうな表情が、小さな体にのしかかった重圧を物語った。
2回とも本来のジャンプには程遠く、後半の伸びを欠いた。1回目は持ち味の低く鋭い飛び出しができず、上体が前方に突っ込み気味になった。最も強い追い風を受けながら、何とかK点を5メートル越えて3位につけた。この時点で1位のフォクトと2.7点差。飛距離に換算して約1.5メートルと、高梨にすれば十分に逆転可能だった。
そして迎えた2回目、持ち前の低い姿勢から力強い踏み切りで飛び出したジャンプ。だが、思うように飛距離は伸びなかった。98.5メートル。記録を確認すると、テレビカメラに向かって照れ笑いのような表情を浮かべながらぺこりとお辞儀し、軽く右手を振った。
運も味方しなかった。2本のジャンプで、自身の番では、いずれも不利な追い風だった。銅メダル圏内で最後の選手を見守ったが、2本目のジャンプもまとめられ、夢はついえた。
「この舞台に立てたことは、すごくいい経験」。インタビューには気丈に答えながらも、悔しさがにじんだ。「納得のいくジャンプができず、すごく残念」。歓喜のメダリストを見て、祝福と、自分もあそこに立ちたかったという気持ちがない交ぜになった。
兄、寛大さん(21)の背中を追い、「私もやりたい」と地元のジャンプ少年団に入った。元選手の父、寛也さん(46)が2人を指導。「女の子なので、正直言って、最初はあまりジャンプをやらせたくなかった」。母、千景さん(46)は複雑な心情を抱きながらも、懸命に練習に打ち込む姿を見て応援するようになった。
「支えてくださった皆さんに、感謝の気持ちを伝えるためにここに来たので…」。家族やスタッフに、最高の結果を見せられなかったことが、何よりも悔しい。
「また五輪に戻ってこられるように、もっともっとレベルアップしていきたい」。つらい経験をバネに、4年後のリベンジを、強く心に誓った。(SANKEI EXPRESS (動画))