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社会
【バリ島沖ダイビング事故】5人生還 75時間ぶり 葉の水滴飲みしのぐ
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インドネシア・バリ島沖のペニダ島=2014年2月14日、17日 インドネシア・バリ島沖でダイビング中の日本人女性7人が2月14日行方不明になった事故で、地元救難当局者は17日夜に記者会見し、7人のうちインストラクターの古川さおりさん(37)ら5人をバリ島沖のペニダ島南岸で発見、救出したと述べた。続く18日には、バリ島南部で港湾当局者が女性1人の遺体を見つけたと発表した。事故では、宮田律子さん(59)とダイビングインストラクターの高橋祥子さん(35)が依然不明となっており、当局は遺体を病院に搬送し身元の確認を急ぐ。
17日に救出されたのは古川さんのほか、森園彩さん(27)▽山本栄美さん(33)▽冨田奈穂美さん(28)▽吉留温美(あつみ)さん(29)-の4。このうち、森園さん、冨田さん、吉留さんの3人は神戸大病院勤務の看護師。救難当局者によると、5人が発見されたのは不明となった現場からは約20キロ離れている。うち4人は崖の下で見つかり、古川さんはそこから東に約800メートル離れた崖付近にいた。
また、18日午後6時10分(日本時間18日7時10分)ごろ、バリ島南部と橋でつながるスランガン島の沖合の海面に、遺体のようなものが浮いているのを監視員の男性が発見。午後6時50分ごろ、救難隊員がボートで遺体をスランガン島に引き上げた。遺体は女性で、ウエットスーツや足ひれ、潜水器具を身に付けたままだった。顔は判別できない状況だった。発見場所はダイビング中の日本人女性が行方不明になった現場から西に二十数キロ離れている。
事故では、救助された古川さんが「7人で漂流していたが、途中で離れ離れになってしまった」と話しており、宮田さんら2人も同じ方向に流されたとみられていた。古川さんらの救出現場近くの岩場で、救助を求めるライトのようなものが点滅していたとの情報もある。
一方、17日に無事救出された5人は18日、入院先で家族や関係者と相次いで面会。デンパサールの病院には、森園さんら4人が入院。病院関係者は「日焼けがひどいが、容体は安定している」と述べ、近く退院できるとの見通しを示した。(デンパサール 吉村英輝/SANKEI EXPRESS (動画))
≪75時間ぶり 葉の水滴飲みしのぐ≫
岩場に漂着した日本人女性ダイバーは、葉についた水滴を飲んで命をつなぎ、行方不明になって約75時間を経て、奇跡的な生還を果たした。
警察によると、このダイビングツアーにはバリ島在住の日本人インストラクター、古川さおりさん(37)と高橋さんの2人と日本からの客5人が参加。7人は2月14日午前8時半、ボートでバリ島サヌールを出発、9時半にレンボンガン島沖に着いた。
午後1時ごろ、7人は3回目の海へ。天気は良かったが1時15分ごろ急変。豪雨となり、ダイバーたちの呼吸で出る海面の気泡が雨粒で見えなくなり、ボートの船長は7人を見失った。
雨は2時ごろ上がった。船長は携帯電話を所持し無線もあったが救助を呼ばず、自力で約2時間捜索。レンボンガン島で住民から燃料を買い、再び1隻だけで捜索を続け救助要請は約3時間後だった。
船長は「初の事故でパニックに陥った」と話しているという。船長が無線でレンボンガン島の港湾当局に連絡したのは4時半ごろ。警察による救助活動が開始されたのは5時だった。
救出された古川さんが日本総領事館や知人に話したところでは、14日の夜は暗闇の海を漂い続け、気付くと岩場に流れ着いていた。救難当局者によると、流れ着いたのはダイビングスポットからは20キロも離れたペニダ島南岸で、場所は崖下にある岩場。15日夜までにはそこに漂着したようだ。
古川さんは約800メートル離れた断崖下の岩場に漂着していた森園彩さん(27)ら4人の姿が見えたという。岩場の近くにはパパイアの木が生えていたが、足場が悪く、果実を取りに行けなかった。周りの植物についた水滴や上から降ってくる雨水を飲んで空腹に耐えた。
「第1発見者」の一人だというスキューバダイビング・インストラクターのトト・スギヤントさん(46)によると、17日午後4時ごろ、ボートの上からペニダ島南岸の岩場の上にいる森園さんら4人を発見。4人は手を振って助けを求めた。
トトさんは食料や水を渡そうと海に入ったが、風が強く波も高くて岩場に近づけなかったため断念。無線で応援を呼び、4人は7時ごろまでに駆け付けた他の船に救助され、古川さんも無事救助されたという。
トトさんは18日、「発見したときには『やった、見つけたぞ』と全身に鳥肌が立った」と記者団に語った。
17日夜にバリ島に着いた古川さんは、ヘリコプターで搬送後、用意されていたストレッチャーには乗らず、自分の足で歩いた。記者の質問にも、しっかりした口調で回答。救助隊員には仲間の安否をしきりに尋ねていたという。
4人が収容された病院の医師団は18日、4人とも日焼けによるやけどの治療が必要ながら、容体は安定しており、早ければ19日にも退院できるとの見通しを示した。
医師団は、4人がそれぞれ顔を中心に重い日焼けを負っており、手足に岩場でできたとみられる軽いすり傷もみられると説明。朝食でおかゆを食べるなど食欲もあり、精神状態も安定していると指摘した。(SANKEI EXPRESS (動画))