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共通の伝統が生きる都市づくり 特別展「大江戸と洛中~アジアのなかの都市景観」
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江戸時代の江戸と京都には、共通する都市づくりの伝統が生きていた-。江戸時代の2大都市を東アジアの中でとらえてみようという特別展「大江戸と洛中~アジアのなかの都市景観」が3月18日から、江戸東京博物館で開かれる。
帝や公家が住んでいた京都と、武家が幕府を開いた江戸は相違点も多いが、江戸東京博物館の斎藤慎一・事業企画課展示企画係学芸員は、「実は都市づくりでは、北京やソウルと同じようにアジア共通の伝統が生きている」と指摘する。
伝統とは、広場を取り囲む回廊や中心部の東西に延びる宮殿だ。アジアでは紀元前からつくられ、とくに平城京や平安京では、伝統の影響が顕著だった。
それが変わったのが戦国時代。都市の中心部には宮殿の代わりに、武威を示す城が築かれた。しかし、北京などでみられる、外側に城壁を巡らす伝統は、京都の羅城門や江戸の堀に生きているという。
アジアの伝統の中で、江戸に引き継がれたのが、宗廟(そうびょう)と社稷(しゃしょく)。つまり霊廟と神社の建設だ。
日光の東照宮ほど知られていないが、1618(元和4)年ごろ、江戸城の中に、家康の霊廟「紅葉山(もみじやま)東照宮」が建設された。
企画展では、初めて存在が確認された、紅葉山東照宮で使われていた御簾(みす)が初公開される。縦150センチ、横100センチの小ぶりな御簾だが、由緒書もあり、博物館によると、ご神体を納めていた厨子(ずし)の扉の内側にかけられていた御簾だという。
霊廟の法会を行っていた浅草寺伝法院から、1736(享保21)年に岡山県の神主に渡り、さらに10年ほど前、津山郷土博物館(岡山県津山市)に寄贈されていたが、今回の調査で17世紀中期から18世紀初期につくられた御簾と新たに分かった。全体に葵の紋がちりばめられ、麒麟や獅子、天馬の金色のレリーフがあしらわれ、家康の権威や霊廟の豪華さを際立たせている。
江戸城は、17世紀半ばの寛永年間に天守を火災で失っているが、企画展では、1648(慶安元)年に天守をいただいた江戸城を写実した唯一現存の絵「武州州学十二景図」、1871(明治4)年に写真家の横山松三郎が撮影した江戸城の写真ガラス原板計29枚も3回にわたってすべて公開する。
このほか、徳川秀忠の霊廟の高さ2.6メートルの銅製燈籠(とうろう)、秀忠の娘・千姫が作らせた「紺紙金泥経」、16世紀にヨーロッパに初めて紹介された日本地図や、江戸~明治に描かれた小田原や仙台など地方9都市の屏風(びょうぶ)、徳川家関係の鎧(よろい)5領も保存のよい付属品とともに展示する。
展示総数162件のうち約半分を収蔵品で占める。開館20周年最後の特別展として、見どころの多い内容だが、斎藤学芸員は「難しい歴史はともかく、伝わるものの立派さを味わってもらえればいい」と話している。(原圭介/SANKEI EXPRESS (動画))
開館20周年記念特別展「大江戸と洛中~アジアのなかの都市景観」は3月18日~5月11日まで。東京都墨田区横網1の4の1、江戸東京博物館。一般1300円、大学・専門学校生1040円、高校~小学生・65歳以上650円。休館は5月7日と月曜(4月28日、5月5日は開館)。問い合わせは(電)03・3626・9974。