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無人機で空からネット接続 フェイスブックが買収交渉、50億人に提供へ

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無人機で空からネット接続 フェイスブックが買収交渉、50億人に提供へ

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米フェイスブック、マーク・ザッカーバーグCEO  世界最大の交流サイト、米フェイスブック(FB)が、無人機メーカー、米タイタン・エアロスペースを6000万ドル(約61億円)で買収する交渉を進めていることが分かった。

 タイタンが開発中の上空20キロを5年間飛び続けることができるソーラー式無人機から無線電波を地上に送り、インターネットに接続できるようにするのが狙いだ。ライバルの米グーグルも気球を利用した同様の計画を進めている。

 途上国などネットを利用できない未開拓地域の約50億人に対し空から接続網を提供。ネットの普及に貢献すると同時に、自らの顧客となる利用者の爆発的な増大につなげる戦略だ。

 買収交渉は、米IT系ニュースサイトのテッククランチが3月3日に関係筋の情報として伝えたのを皮切りに、AP通信やロイター通信、米経済専門テレビ局CNBCなどの大手メディアが5日までに一斉に報じた。

 太陽電池で最長5年飛行

 FBの広報担当、タッカー・ボンズ氏と、タイタンのバーン・ラバーン最高経営責任者(CEO)はいずれも、米メディアに対し、「コメントできない」と述べた。

 一連の報道によると、今回の買収は、FBのマーク・ザッカーバーグCEO(29)が昨年(2013年)8月にぶち上げた、世界中の人々がネットを利用できるようにする計画「インターネット・オルグ」の一環。

 現在、世界の人口の約3分の2の50億人がネットを利用できないといい、接続環境を整えネット人口を3倍に増やすことを目標にしている。韓国のサムスン電子やフィンランドのノキア、米クアルコムなどの通信機器メーカーのほか、世界の通信会社が協力している。

 この計画の中心的な役割を果たすとみられているのが、タイタンが2015年の商用開始を目指し開発しているソーラー式の無人機「ソララ60」だ。

 米ボーイングの主力大型機777より少し短い全長50メートルの主翼を持ち、全面に太陽電池を搭載。20キロ上空を一度も着陸することなく最長5年間も飛行できる。FBはこの無人機1万1000機を発注。まずはアフリカ大陸の上空にネット接続網を構築する計画だという。

 グーグルは気球で

 すでにFBはメッセージを無料でやりとりできるアプリを開発した米ワッツアップを190億ドル(約1兆9400億円)もの巨費で買収することで合意している。この買収も、より多くの人をネットを介して「つなげる」のが目的だ。

 米グーグルも、20キロ上空に浮かぶ大型気球を介して無線でネット接続を可能にする「プロジェクト・ルーン」計画を進めており、昨年(2013年)6月にニュージーランドで30機を飛ばして実験を行った。

 「世界にネットを普及させる上での主な障害は接続問題ではない。世界の80%の人々は無線環境下にあり解決できる。より重要なことは金融、健康、教育といった情報にアクセスできるようにすることだ」

 ザッカーバーグ氏からは、先月(2月)下旬に行われた会見で、タイタン買収を念頭に置いたかのような発言が飛び出した。

 空からのアプローチによって、世界中の人々がネットを利用できる環境の整備にめどをつけ、人々を豊かにする有益なコンテンツの提供という、さらに一歩先を見据えているようだ。(SANKEI EXPRESS

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