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「日の丸液晶」反撃口火 中韓に対抗 ジャパンディスプレイ上場

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「日の丸液晶」反撃口火 中韓に対抗 ジャパンディスプレイ上場

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新規上場を記念する式典で、鐘を鳴らすジャパンディスプレイの大塚周一社長=2014年3月19日、東京都中央区の東京証券取引所(寺河内美奈撮影)  ≪大塚社長「10%以上の営業利益率を」≫

 日立製作所、東芝、ソニーの中小型液晶パネル事業を統合したジャパンディスプレイは3月19日、東京証券取引所第1部に上場した。大塚周一社長(62)は東京都内で記者会見し、今後の目標に関して「10%以上の営業利益率を出せるようになりたい」と抱負を述べた。

 大塚社長は「技術やコスト競争力を高め、中小型の液晶市場で覇者となりたい」と強調した。ただ、中国メーカーなどとの競争では「われわれの製品は参入障壁が高い」と述べ、容易に追いつけないとの認識を示した。

 19日の取引で終値は763円と公開価格の900円を大きく下回ったが、大塚社長は「いかに株主価値を高めていけるかが重要な使命だ」と述べるにとどめた。終値ベースの時価総額は約4589億円で、ライバルのシャープ(5000億円強)に迫る水準となった。

 官民ファンドの産業革新機構は保有株式を売却し、議決権割合は86.69%から35.58%に低下した。機構は引き続き大きな議決権を持つが、大塚社長は「独立性に大きな支障があるとは思っていない」と強調した。

 ≪「日の丸液晶」反撃口火 中韓に対抗≫

 「株式上場は通過点に過ぎない。グローバルな覇者を目指す」-。ジャパンディスプレイの大塚社長は3月19日の記者会見で、こう強調した。予定より2年早い上場を果たしたのは、3社の技術を融合し、大型投資でスマートフォン(高機能携帯電話)向け液晶パネルの増産体制を整えたのが要因だ。上場の調達資金をさらなる設備投資にあて、韓国や台湾、中国メーカーに攻勢をかける。

 ジャパンディスプレイは2012年に産業革新機構が2000億円を出資して設立。3社のエンジニアが「別々では大型の設備投資が行えず、国際競争には勝てない」と革新機構に訴え、統合が実現した。

 革新機構の出資金でパナソニックの茂原工場を購入し、大型受注に対応できる体制を整えた。スマートフォンやタブレット端末の受注増が追い風となり、業績も一気に回復した。

 今回の上場でジャパンディスプレイは1200億円を調達できた。その資金の多くを千葉県の茂原工場の生産ラインの増強にあてる。

 ジャパンディスプレイはこれまで、米アップルの「iPhone(アイフォーン)」など高価格帯用パネルを製造してきた。最近では中国の端末メーカーが中価格帯にも高精細パネルを採用するケースが増えている。このため、「大型の受注が確定した段階で新工場の建設も検討する」(大塚社長)という。

 ジャパンディスプレイが製造する中小型液晶パネルは、韓国のLGディスプレイ、台湾のメーカーらとシェアを争う。最近では中国のメーカーも力をつけている。ジャパンディスプレイは今回の設備増強で高精細な液晶パネルの生産能力を高めて海外勢と差別化を図る。

 さらに調達資金をパネルの高精細化や低消費電力化の開発にあて、業界トップを維持したい考えだ。

 国内の電機業界をめぐっては、量産化技術で中国や台湾メーカーに追いつかれ、シェアを奪われるケースが多い。半導体製造も、ルネサスエレクトロニクスやエルピーダメモリーなど官主導で事業再編を進めているが、成功しているとは言い難い。中小型液晶パネルにおけるジャパンディスプレイの復活は、成功事例の一つといえそうだ。(SANKEI EXPRESS

 ■ジャパンディスプレイ 液晶パネル事業をめぐり、韓国や台湾などアジア勢との競争が激化するなか、官民出資の投資ファンドである産業革新機構が主導し、日立製作所、東芝、ソニーの中小型液晶パネル事業を統合して2012年4月に設立された。14年3月期連結決算では、売上高が6234億円、最終利益が366億円になると見込む。産業革新機構は当初、2000億円を出資した。機構が投じた資金はもともと税金だが、今回の上場に伴い、機構は保有株式の一部を売却。投資した資金の一部を回収した。

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