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CO2濃度 5日連続「危険水準」 400ppm超観測 迫る温暖化

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CO2濃度 5日連続「危険水準」 400ppm超観測 迫る温暖化

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 米海洋大気局(NOAA)は3月21日、ハワイのマウナロア観測所で測定した大気中の二酸化炭素(CO2)の平均濃度が、(3月)16日から5日連続で大台の400ppmを超えたと発表した。この観測所では昨年(2013年)5月9日に1958年の観測開始から初めてCO2濃度が400ppmを超えた。地球温暖化による危険な気温上昇を防ぐには濃度を400ppm未満に抑えるのが望ましいとされており、危険水準に入ったことがあらためて示された。

 上昇ペース加速

 大気中のCO2濃度は植物の光合成が活発になる春から秋にかけて下がり、活動が低下する冬から春に上昇する。昨年(2013年)より約2カ月早い大台超えに、NOAAの研究者は「化石燃料からの大気中へのCO2排出が続く以上、この傾向は続く。来年はもっと早い時期に400ppmを超えることになる」と警告している。

 NOAAによると、平均濃度は(3月)16日に400.13ppmを記録し、(3月)19日の401.28ppmを最高に20日まで連続で400ppmを超えた。

 NOAAのジェームズ・バトラー博士は「今年も5月がピークで402ppmに達し、来年は404ppmに上昇する。400ppmを超える時期も毎年早まる」と予測。温暖化の深刻な影響が避けられなくなる水準は「分からない」とした上で「化石燃料から排出されるCO2を80%減らせば濃度上昇を止めることができる」と指摘し、思い切った温暖化対策の必要性を訴えた。

 マウナロア観測所は人間活動の影響を受けにくい標高3397メートルにあり、長期にわたる測定を続けている。大気中のCO2濃度は産業革命前は約280ppmだったと推定されるが、20世紀後半以降に上昇ペースが加速し続けている。

 沿岸で数億人移住も

 世界各国で作る「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」も、25日から横浜市で始まる作業部会で、CO2を今のペースで排出し続ければ、地球温暖化で自然や社会、経済に極めて深刻な影響が生じると警告する報告書をまとめる予定だ。

 CO2排出量は急速に伸びており、このままでは今世紀末に世界の平均気温が2.6~4.8度上がるとする、IPCCの最悪の予測に近い経路をたどるとみられる。

 作業部会の報告書案などによると、この水準の気温上昇になると生態系に大きな被害が生じる。一部の動物は生息域を変えて対応するが、サンゴは大規模に死滅し、植物も変化についていけず分布域を大きく縮小させるとみられる。

 また、強力な台風や洪水、干魃(かんばつ)といった極端な気象現象が増え、利用できる水の量や食料生産、漁獲量が減り、国家間の紛争の火種になる。海面上昇や高潮で、今世紀末までに世界の沿岸域で数億人が移住を強いられかねないとも予測した。(共同/SANKEI EXPRESS

 ■大気中のCO2濃度 主要な温室効果ガスであるCO2は、産業革命以降に石炭や石油などの化石燃料が大量に消費されるようになって大気中への放出量が急激に増えた。大気中のCO2濃度の上昇幅は1950年代には年間約0.7ppmだったが、最近10年間では年間約2.1ppmに増加して上昇ペースが加速。地球温暖化が進行する大きな要因となっている。(共同)

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