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夢の中で命懸けられる場所、幸せでした 蘭寿とむ 6000人ファンに見送られ、本拠地千秋楽

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夢の中で命懸けられる場所、幸せでした 蘭寿とむ 6000人ファンに見送られ、本拠地千秋楽

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宝塚大劇場前でのサヨナラ・パレードで、大きな蘭の花束を手にファンに手を振る蘭寿とむ=2014年3月17日午後、兵庫県宝塚市(松永渉平撮影)  宝塚歌劇団の花組トップスター、蘭寿とむのサヨナラ公演「ラスト・タイクーン-ハリウッドの帝王、不滅の愛-」「TAKARAZUKA∞夢眩」が3月17日、宝塚大劇場で千秋楽を迎え、蘭寿は約6000人のファンに見送られて、音楽学校時代から20年間の思い出が詰まった本拠地に別れを告げた。退団者はほかに凪咲星南、花蝶しほ、遼かぐら、彩城レア、月央和沙の計6人。東京宝塚劇場公演(4月10日~5月11日)の千秋楽が退団の日となる。

 この日は本公演に続いてサヨナラショーが行われた。トップ・デビュー作「ファントム」の歌で始まり、「愛と革命の詩」「オーシャンズ11」から選んだ歌を、続けて3曲をソロで歌った。赤のスーツに着替えて娘役トップの蘭乃はなと組んで踊り、次期トップが内定している明日海りおも加わっての群舞へ。落語を題材にした懐かしい「くらわんか」を芝居仕立てで見せて笑いを誘い、ラテンナンバーの「CONGA!!」ではセクシーなデュエットダンスを披露した。ラストは全員が白の衣装でそろえて、「エル・クンバンチェロ」でにぎやかに幕。

 男役を全うしたい

 フィナーレで花組生全員に迎えられて、最後に大階段を降りた蘭寿は黒えんび姿。組からの花束は明日海、同期生は宙組の美風舞良が駆けつけ、白いバラの花束を渡した。

 「楽しかった!というのが最後の瞬間に浮かんだ言葉です。夢の中で命を懸けられるこの場所にいられて幸せでした。こんなにも魅力的で、こんなにも苦しく、こんなにも幸せな場所はない。みなさまに感謝の気持ちでいっぱいです。東京公演の千秋楽まで男役を全うしたい」とあいさつ。5回のアンコールに応えた。

 このあと、歌劇団事務所での会見では、黒えんびを着た理由を「一番大好きなお衣装で、最後まで男役を全うしたいという気持ちを込めた」と説明。サヨナラショーの演目は「思い入れの深い作品や曲を選んだ。最後は明るく締めくくりたかった」と話した。涙は見せなかったが、「最後のあいさつのときにこみ上げるものがあって、グッとこらえた」そうだ。そして、次の月組公演で初舞台を踏む第100期生へは、「何より宝塚が大好きだという思いを大切にして、何事にもチャレンジしてほしい」とコメントした。

 恒例の手形披露のあとは、宝塚大劇場前でのサヨナラ・パレード。黒紋付きに緑の袴に着替え、花束も蘭のブーケに変わっていた。レーザー光線とスモークの中で登場し、ファンが掲げた横断幕には「48.25倍の一番星、濃くて熱いトム・クーン、ありったけの愛をありがとう」と書かれていた。「トムさん、サンキュー」というファンの声に合わせて白い風船が夜空に舞い、拍手に送られて去った。(SANKEI EXPRESS

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