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社会
【This Week】(3月31日~4月6日) 飯塚事件 きょう再審可否決定
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飯塚事件の争点=2014年3月30日現在 福岡県飯塚市で1992年、7歳の女児2人が誘拐、殺害された飯塚事件で死刑が確定、執行された久間三千年(くま・みちとし)元死刑囚=当時(70)=の妻が申し立てた再審請求で、福岡地裁(平塚浩司裁判長)は再審を開始するかどうかの決定を3月31日に出す。
死刑囚の再審は(3月)27日、「袴田(はかまだ)事件」で静岡地裁が開始決定をしたが、執行後の開始決定は例がない。
久間元死刑囚は、捜査段階から一貫して無実を主張。確定判決は(1)DNA鑑定結果(2)遺体発見現場付近での不審人物と車の目撃証言(3)久間元死刑囚の車から検出された血や尿-などの状況証拠から有罪を導いた。
最大の争点は、被害者に付着した「犯人の血痕」のDNA鑑定の信用性だ。確定判決は元死刑囚のDNA型と一致すると認定したが、この鑑定は2010年に再審無罪が確定した「足利事件」とほぼ同時期に、同じ警察庁科学警察研究所が実施した。当時の鑑定の精度は低く、弁護団は「信用性がない」と指摘した。
ただ、鑑定試料は既に使い切られて再鑑定できないため、弁護団はDNA型が写ったネガフィルムに注目。「元死刑囚とは異なるDNA型が発見された」とする筑波大の本田克也教授(法医学)の分析結果を新証拠とした。
検察側は「弁護側が読み取ったのはDNA型ではなく、鑑定の過程で発生するエキストラバンド(余分な線)」と反論している。
弁護団はほかに(1)「現場付近での不審者と車の目撃証言は、供述が変遷し、取調官の誘導を疑わせる」との心理学者の鑑定書(2)犯人の血液型はAB型で、B型の元死刑囚とは異なる鑑定結果-も新証拠とした。(SANKEI EXPRESS)