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欧州とロシア、火星探査で巻き返し 成否担う「巨大な砂場」
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2018年に打ち上げられる火星無人探査車の実験場「マーズヤード」を歩く欧州宇宙機関(ESA)の職員たち。火星に似せた赤茶けた土壌が広がるさまはまるで巨大な砂場だ…=2014年3月27日、英国・首都ロンドン郊外スティーブニッジ(AP) 欧州宇宙機関(ESA)とロシア連邦宇宙局が2016年から始める無人火星探査計画「エクソマーズ」の成否を担う探査車の実験場「マーズヤード」がロンドン郊外に完成し、4月1日までに報道陣に公開された。探査車は火星で生命の痕跡を探すため、地表で土壌サンプルなどを採取するが、その作業を完璧にこなせるよう、火星の地表を模したこの“巨大な砂場”で訓練を重ね、探査車の試作機の開発・性能向上も図る。ウクライナ情勢をめぐって亀裂が広がっている欧州とロシアだが、宇宙分野では連携を深めてきており、米国などに後れをとった火星探査でいよいよ巻き返しにかかる。
英BBC放送や米CNNテレビによると「マーズヤード」は欧州航空宇宙大手エアバス傘下のエアバス・ディフェンス・アンド・スペース社が建設した。
広さはバスケットボールのコートほどで、米航空宇宙局(NASA)の火星探査車の探査結果をもとに、赤茶けた土壌にごつごつの岩を配置するなど火星の地表に似せた。施設内の色や明るさも火星に合わせた。使用した砂の量は300トン。総工費は約50万ポンド(約8600万円)だ。
科学者らは「マーズヤード」を使って無人探査車が目標までの安全な走行ルートを割り出す技術の開発などをめざす。
ESAの科学・ロボット探査部門の責任者、アルバロ・ヒネメス氏はESAの公式ページで「この施設は、火星での無人探査車の自律走行を実現する洗練されたナビゲーションシステムの開発を可能にするだろう」とその役割を高く評価している。
エアバスの地球観測科学部門のトップ、ジャスティン・バーン氏もCNNに「火星から地球に信号を送るには20分かかる。そのため、無人探査車を地球から正しく操作するには時間がかかり過ぎる」と説明し、探査車を火星で正しく機能させるには「マーズヤード」での実験が不可欠であると強調。「われわれは生命の痕跡を探すため火星をめざすが、ここでの実験はそれに向けた重要なステップだ」と訴えた。
総事業費12億ユーロ(約2000億円)という「エクソマーズ」計画は、16年1月にまずオービター(周回衛星)と着陸実験機を打ち上げ、18年にこの無人探査車を打ち上げる。集められた地表の土壌サンプルなどは20年代に地球に持ち帰る。
とはいえこの計画、もともとESAがNASAと共同で行うはずだったが、予算不足を理由にNASAが降り、代わりに火星探査で失敗続きのロシアの連邦宇宙局が名乗りを上げ、昨年(2013年)3月、共同実施で正式合意した。
ESAはロシアほど遅れていないが、03年に火星探査機の打ち上げ・運用には成功したものの、火星への着陸には失敗し、今日に至っている。
つまり「エクソマーズ」計画は13年ぶりのリベンジとなるわけだ。しかし、その間に最先端を行く米国は30年代に有人火星探査を行うと発表し、着々と計画が進展。昨年(2013年)11月にはインドまでが初の無人火星探査機の打ち上げに成功しており、今年9月には火星の軌道に入るという。さらに昨年(2013年)12月には中国が無人月面探査機の着陸に初成功しており、火星を含め宇宙開発では米国の独り勝ちと新興国の猛追が続く。欧州とロシアにとってはこれからが正念場だ。(SANKEI EXPRESS)