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【鎌倉海びより】緊急ビーチクリーン参戦記
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春休みの小中学生など老若男女さまざまな人たちがトングとポリ袋を持ってゴミの回収にあたった=2014年3月31日、神奈川県鎌倉市 出勤の途中に知人と会うと、「ずいぶん焼けましたねえ」と半ばあきれ顔で言われた。4月1日、火曜日のことだ。顔が日に焼けているので、週末は海でたっぷり遊んできたのではないかと思われたらしい。
まあ、仕方ないかとも思うが、「仕事ですよ」と一応、反論する。ウソじゃない、本当の話です…と言い張ってもエープリルフールでは信用されないか。
その前日、3月31日の月曜日は大潮だった。材木座海岸は午前中、干潮で遠浅の砂浜が広がり、海辺ではウエットスーツ姿のサーファーや近所のおじさん、おばさん、春休みの小中学生など老若男女さまざまな人たちがトングとポリ袋を持ってゴミの回収にあたった
東京湾の出入り口にあたる浦賀水道で3月18日未明、貨物船同士の衝突事故があり大量の重油が流出した。房総半島側の千葉県富津市の海岸ではその影響で潮干狩りも一時、中断に追い込まれたという。
流出重油の一部は三浦半島を越えて相模湾沿岸にも流れ着いているということで緊急のビーチクリーンが実施されたのだ。
それは大変、というわけでおじさん記者も100円ショップでゴミを拾うためのトングを購入し、押っ取り刀ならぬ、長靴に押っ取りトング姿で駆けつけた。
幸いにして前日の強い風雨で重油は押し戻されていったようで、月曜日の海岸は比較的きれいだった。だが、ベテランサーファーに話を聞くと、土曜日には海の中でサーフボードにボール状の油がべっとり付くほどだったという。
いつもきれいな海であってほしい。これは海で生活の糧を得る人にも、海を楽しむ人にも共通の願いである。海びよりのコラムが書けるのも、広い砂浜ときれいな海があればこそですね。(編集委員 宮田一雄/SANKEI EXPRESS)