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【鎌倉海びより】帰宅難民漂流記

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【鎌倉海びより】帰宅難民漂流記

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帰宅途中の海に向かう道=2014年2月9日、神奈川県鎌倉市  今年は冬が早く始まった分、春の訪れも早いのではないかというかすかな期待が、実はあった。ひょっとすると2月にはもう…などというのは、甘かったですね。8日(土)は首都圏も朝からの大雪、気象庁からはできるだけ外出を避けるようにという警告が前日から出ていた。

 専門家の忠告には従っておくべきだったと後で悔やむことになるのだが、そのまさに雪の日、東京・西新宿の東京医大でエイズ対策関係の重要な会議があったため、鎌倉から新宿までJR横須賀線と地下鉄を乗り継いではせ参じた。午前10時に東京医大に到着した頃にはもう一面の雪景色、ほぼ缶詰め状態の会議が終了したのは午後7時過ぎだったので、吹雪の中を地下鉄丸ノ内線で東京駅までたどりつくと、横須賀線はもう運休していた。

 東海道線は何とか動いているということだが、電車は駅で待機状態。大船駅までたどり着くことはできたとしても、そこから先、鎌倉駅までの交通手段はない。帰宅は諦め、あわてて都内のホテルを探す。

 だが、時すでに遅し。手頃な価格のホテルは軒並み空室なし。万策尽きてエイズ対策関係の知人宅に泊めてもらい、雪の帰宅難民はようやく難を逃れた。いやあ、一時はどうなることかと思いました…。

 翌9日(日)、何とか動き出した電車で鎌倉にたどり着いた時にはもう正午近く。帰宅途中の海に向かう道は、これがまたあきれるほどの日差しである=写真

 降り注ぐ太陽は、前面の相模湾と至近の雪景色の両方の照り返し効果で、常にも増してまぶしい。

 「なんだよ、この明るさは」などと一人毒づきつつ、雪解け道をとぼとぼと歩く。次の週もまた大雪とはもちろん、知る由もなかった。(編集委員 宮田一雄/SANKEI EXPRESS)

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