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戦争賠償400億円 天津で訴訟準備 反日団体、徴用船所有者を支援

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戦争賠償400億円 天津で訴訟準備 反日団体、徴用船所有者を支援

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 中国上海の裁判所が1930年代の船舶賃貸をめぐり、商船三井が所有する貨物船を差し押さえたことが日中両国で大きな波紋を広げる中、天津市でも同じように戦時中に日本に徴用された船舶を所有していた企業家の関係者が、対日訴訟を準備していることが分かった。複数の関係者が明らかにした。損害賠償総額は400億円を上回るとみられ、戦争賠償をめぐる一連の訴訟で最高額となるのは確実だ。

 訴訟を支援する反日団体の関係者らによると、天津市の裁判所に提訴を準備しているのは、30年代に天津で海運会社「北方航業」を経営した企業家、陳世如氏の親族。「北方航業」が所有する4隻の船舶が日中戦争中に日本海軍などに徴用されたが、45年の終戦までに3隻が沈没し、1隻が行方不明となった。関係者の試算によれば、「北方航業」の損失は約25億元(約425億円)と主張する。

 支援者や弁護士と相談しながら現在は訴状を作成しているところで、損害賠償の金額はまだ固まっていないとされるものの、25億元に近い金額になる可能性が大きいという。

 被告については、当時の日本の船舶会社、もしくはその流れをくむ会社が存続しているか不明なため、日本政府を相手取ることも検討しているという。

 その一方で関係者は、これは戦争賠償訴訟ではなく、一般の民事事件と位置付けようとしている。

 日中両国政府が72年に合意した「日中共同声明」では、中国の「戦争賠償の放棄」が明記されているため、「一般の民事事件」として提訴すれば、裁判所に受理されやすいと関係者らは考えているようだ。

 対日強硬派の習近平国家主席(60)は安倍晋三政権に圧力をかけるために、中国人元労働者による「強制連行」訴訟など、一連の対日訴訟を暗に支持しているといわれている。(北京 矢板明夫/SANKEI EXPRESS

 ■商船三井の貨物船差し押さえ問題 1936年に商船三井の前身の企業が中国企業と契約し船を借り受けたが、旧日本軍に徴用され、日中戦争時に沈没。その後中国側は賠償請求を続け、2007年に上海海事法院が商船三井に約29億円の支払いを命令。10年の2審判決で原告勝訴が確定した。上海海事法院は4月19日、商船三井の貨物船1隻を差し押さえた。

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