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【日米首脳会談】手探りの「シンゾー」「バラク」 米大統領、尖閣安保対象を明言
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共同記者会見を終え、握手を交わす安倍晋三(しんぞう)首相(右)とバラク・オバマ米大統領。成果を得てもなお微妙な「シンゾー」「バラク」関係だ=2014年4月24日、東京都港区元赤坂の迎賓館(代表撮影) 安倍晋三首相(59)とバラク・オバマ米大統領(52)は4月24日、東京・元赤坂の迎賓館で会談し、日米同盟がアジア太平洋地域で主導的な役割を果たすことで一致した。オバマ氏は尖閣諸島(沖縄県石垣市)が日米安全保障条約の適用対象であることを米大統領として初めて明言、首相は会談終了後の共同記者会見で「日米同盟は力強く復活した」とアピールした。焦点の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉は首脳会談では決着せず、閣僚級協議を続けた。共同記者会見では両首脳とも、会談の成果を強調したが、微妙な距離感が見てとれたのも事実だ。
首脳会談は約1時間半行われた。TPP交渉で結論が出なかったため、会談終了時に予定していた共同声明の発表は先送りされた。TPP交渉については、甘利明(あまり・あきら)TPP担当相(64)と米通商代表部(USTR)のマイケル・フロマン代表(51)が24日午後も協議。甘利氏は午後の協議終了後、記者団に対し「前進はあったが、まだ課題は残っているので引き続き協議を行う」と述べた。
首脳会談で安倍首相は、集団的自衛権の行使容認に向けた取り組みについて説明し、オバマ氏は歓迎、支持した。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の5年以内の運用停止など沖縄県の負担軽減をめぐっては、首相が米国のさらなる協力を要請。オバマ氏は「沖縄の負担軽減に引き続き取り組みたい」と応じた。
アジア情勢については、中国の「力による現状変更の動き」に反対することで一致し、対中政策で日米が緊密に連携することを確認。オバマ氏は「北朝鮮は脅威だ」とも指摘した。
「シンゾー(晋三)」
前夜の東京・銀座のすし店「すきやばし次郎」での夕食会前には、安倍首相にこう気さくに呼び掛けたオバマ氏だったが、記者会見では「シンゾー」と「安倍首相」が入り乱れた。
対する安倍首相の方も、意識的にオバマ氏のファーストネーム「バラク」を使おうとしているのがうかがえたが、やはり「オバマ大統領」と口にする場面もあり、一定しなかった。
「ぜひバラクと私で、これまでで一番良好な日米関係を築いていきたい」
安倍首相は記者会見でこう述べ、オバマ氏との親密さと日米同盟の強固さを強調した。ただ、「これまで首相に腫れ物に触るように接してきた」(政府高官)というオバマ氏と、一気に距離を縮めるまでには至らなかったようだ。
米国では、安倍首相が就任した2012年12月以前から、中国、韓国や日本の左派・リベラル勢力が米政府や議会、主要メディアなどに「安倍氏は危険なナショナリストだ」との印象を植え付ける情報宣伝活動を実施していた。当然、オバマ政権もその一定の影響を受けているとみられる。
今回の首脳会談では歴史認識問題は話題にならなかったが、安倍首相は会談でもその後の記者会見でもわざわざこう言及した。
「日本は先の大戦の終戦から70年間、ひたすら平和国家として歩んできた」
これも、オバマ氏やその政権の安倍政権や日本に対する誤解や偏見が払拭されていれば、今さら言う必要がない言葉だったはずだ。両首脳はまだ、慎重に手探りしながら相手との間合いを詰めている段階だ。(SANKEI EXPRESS)